研究課題/領域番号 |
25330287
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
大林 正直 山口大学, 理工学研究科, 教授 (60213849)
|
研究分担者 |
小林 邦和 愛知県立大学, 情報科学部, 准教授 (40263793)
呉本 尭 山口大学, 理工学研究科, 助教 (40294657)
間普 真吾 山口大学, 理工学研究科, 助教 (70434321)
|
研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2017-03-31
|
キーワード | 行動モデル / 扁桃体 / 情動モデル / KIIIモデル / 色彩特徴 / 行動決定 / 強化学習 / 脳波パターン認識 |
研究概要 |
本研究の目的は,ロボット等の行動モデルの構築において,匂い刺激,視覚刺激等の外部情報をベースとし,情動を考慮しかつ過去の経験を生かして行動選択を行うための,扁桃体モデルを中心とした脳情報処理模倣型自律行動モデルの提案である。本年度は下記を行った。 (1)異なる感覚刺激処理に対応可能な,扁桃体を核とする統合化情動反応モデルの開発: 匂い刺激,視覚刺激、両者個別の情動発生機能モデルをそれぞれ構成した。匂い刺激については、新規購入した匂いセンサーによる実データを用いたKIIIモデルによる匂い認識システム構成し、視覚刺激について画像の色彩特徴から情動を構成するモデルを考案した。両者の統合情動モデルは次年度の課題とする。 (2)情動反応対応型学習機能モデルの開発: 情動反応を考慮した学習機能については,申請者らが既に開発している,情動遷移モデルを組込んだ行動選択モデルにおいて、情動遷移モデルへの経験に基づく外部刺激データによる追加学習という形でオンライン機能を実現した。 (3)その他 扁桃体モデルによらない数理的情動モデルと目的地への経路決定モデルを融合した情動利用型経路決定法を提案した。こちらは、生体の情動モデルではなく、工学的・数理的に情動を実現したモデルで扁桃体を利用した情動モデルより、情動をより正確に行動へ反映可能なモデルとなっている。また、嗅覚、視覚と異なる視点から情動の脳波からの情報取り込みを目指し、かつ、脳波データに対する汎用性的な認識システム実現を目的として、自己組織化マップを利用した脳波パターン認識システムを提案した。情動モデルへの統合は今後、検討したい。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
KIII嗅覚改善モデルの更なる改善・簡略化モデルが検討段階であり、検証レベルまで達していない。また、匂い、視覚刺激、それぞれ個別の情動モデルは構成済みであるが、両者を同時に取り扱う実データ対応の統合情動モデルが現在、検討中である。
|
今後の研究の推進方策 |
H26年度研究計画とH25年度未達のKIII嗅覚改善モデルの更なる改善・簡略化モデルの検討、また、匂い刺激、視覚刺激、両者を同時に取り扱う実データ対応の統合情動モデルの検討、そして新たな項目として脳波の情動情報処理への取り込み、等の研究の時間配分を適切に管理したい。
|
次年度の研究費の使用計画 |
H25年度予算で計上していた電子ノーズを申請者らで自作した。その結果、電子ノーズ購入費用が部品代のみとなり、予定より非常な安価でシステムが構成できたため予算に余裕ができたこと、一方、H25年度の研究成果を論文にまとめ、既に投稿中もしくは掲載決定済みの論文掲載予定費用が、H26年度に予算計上している論文掲載予定費用を超えることが予想されるため、次年度で使用することとした。 次年度で研究成果発表のための論文掲載費として使用する。
|