研究課題/領域番号 |
25330289
|
研究機関 | 九州工業大学 |
研究代表者 |
大西 圭 九州工業大学, 大学院情報工学研究院, 准教授 (30419618)
|
研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
|
キーワード | 進化計算 / 創造支援 / ビッグデータ / オープンデータ / 人間ベース進化計算 / P2Pネットワーク |
研究実績の概要 |
本研究は,現在インターネット上に存在する多様で大量のデータを新たなビジネスやサービスや研究対象を創出する源とみなして,そのようなデータを利活用した創造活動を支援することを大きな目標としている.その目標の達成に向けて,2つの進化的創造活動支援の仕組みを考案することを計画している。その1つは,データが何に利用できるのかというアイデアを世界中のインターネット利用者が作り出して議論することを可能にする進化型システムの考案である.もう1つは,データを利活用して何か創造活動を行おうとする人が,目的に会うデータ群を発見的に検索することを可能にする進化型システムの考案である.そして,これら二つのシステムを融合した全体システムが設定した大目標への一つのアプローチとなる. 昨年度は,一昨年度に開発した「データ利活用アイデアを進化させるシステム」を大規模化,つまりインターネット上の多数の利用者による一斉使用を可能にすることを目指し,まずその際に生じる現システムの問題点を考察し,その結果に基づいてシステムの改良を行った.技術的には,システムの負荷分散が可能なクラウド環境での実行を目指した実装を進め,アルゴリズム的には,利用者が作り出すアイデアの効率の良い進化を導くアイデアの選択淘汰の手続きを決定した.もう1つの「目的に会うデータ群の発見的な検索を可能にする進化型システム」については,それに適した進化アルゴリズムの設計を行った.
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究の大目標は,インターネット上のデータを利活用した創造活動の進化的な支援であり,その達成に向けて,具体的に2つの進化型システムの考案を計画している.一昨年度は,このうちの1つのシステムのプロトタイプの作成とその基礎評価を実施することができた.昨年度は,そのシステムの実用に不可欠の大規模化,つまり多数の人による同時利用を可能にすることを目指し,システムの設計と実装を進めることができた.もう1つのシステムについては,システム開発に先立ち必要なアルゴリズムの設計を進めることができた.以上のように,2つのシステムの考案を並行して進めることができており,おおむね計画通りだと言える.
|
今後の研究の推進方策 |
本研究の大目標は,インターネット上のデータを利活用した創造活動の進化的な支援であり,その達成に向けて,具体的に2つの進化型システムの考案を計画している.これまでに,このうちの1つ目のシステムについては,プロトタイプ・システムの開発,システムの大規模化に向けた改良を進めてきている.最終年度となる今年度は,クラウド環境上で実際にそのシステムを動かし,その評価を行う予定である.もう1つのシステムの方は,1つ目のシステムを包含する機能的に大きなシステムであり,まだシステム開発を進められていないが,そこで用いられる進化アルゴリズムの設計が進んでおり,最終年度は少なくともシミュレーションによる検証を行う予定である.
|