研究課題
本研究は,現在インターネット上に存在する多様で大量のデータを新たなビジネスやサービスや研究対象を創出する源とみなして,そのようなデータを利活用した創造活動を支援することを大きな目標としている.その目標の達成に向けて,2つの進化的創造活動支援の仕組みを考案することを計画している.その1つは,データが何に利用できるのかというアイデアを世界中のインターネット利用者が作り出して議論することを可能にする進化型システムの考案である.もう1つは,データを利活用して何か創造活動を行おうとする人が,目的に会うデータ群を発見的に検索することを可能にする進化型システムの考案である.そして,これら二つのシステムを融合した全体システムが設定した大目標への一つのアプローチとなる.平成27年度は,「データ利活用アイデアを進化させるシステム」に,大規模化に必要な機能,つまりインターネット上の多数の利用者による一斉使用を可能にし,多数の利用者が生成する多くのアイデアを利用者からの評価に基づいて適切に選択・淘汰する機能を加え,そのシステムを使った被験者実験を実施した.被験者実験により,そのシステムによって有用なアイデアを創出できることを示した.また,もう1つの「目的に合うデータ群の発見的な検索を可能にする進化型システム」については,実世界における利用者のデータ検索に近い評価シナリオを用いたシミュレーションにより,そのシステムの検索効率の調査を行った.その結果と考察から,実環境においてシステムが備えるべき戦略を明らかにし,シミュレーションにより,その戦略を組み込んだシステムがより良い検索効率を生み出すことを示した.
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すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (11件) (うち国際学会 4件、 招待講演 1件)
International Journal of Computer Information Systems and Industrial Management Applications (IJCISIM)
巻: 8 ページ: 23~32