研究課題/領域番号 |
25330292
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 大阪府立大学 |
研究代表者 |
能島 裕介 大阪府立大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (10382235)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 知識獲得 / 多目的最適化 / 進化計算 / 並列分散実装 |
研究概要 |
平成25年度は,並列分散実装の多目的最適化への拡張の前段階として,進化計算で用いる加重和適応度関数の重みを,並列化した部分個体群毎に異なる値に設定し,精度と複雑性の異なる識別器(知識)の獲得を試みた.遺伝的ファジィルール選択を基にした場合,部分個体群間での移住操作を頻繁に行うことで,高精度の識別器が獲得できることを確認できた. また,より一般的な遺伝的機械学習での実装も目指し,GAssistと呼ばれる区間集合を用いた知識獲得手法に並列分散実装を適用した.個体群とデータ集合の分割数を多くした際の精度と計算時間のトレードオフに関して調査した.またこの成果をまとめて,International Symposium on Intelligent Systems 2013で発表し,Session Best Paper Awardを受賞した. 本研究で提案している並列分散実装の有効性と多目的知識獲得の利点を広めるために,7th International Conference on Intelligent System Applications to Power Systemsのパネルセッションにおいて,Parallel Distributed Multiobjective Evolutionary Algorithmsというタイトルでパネル講演および討論を行った. さらに,学術雑誌「システム/制御/情報」において,解説「遺伝的機械学習を用いた大規模データからの知識獲得」を寄稿した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
多目的知識獲得の並列分散実装として,単純な進化型多目的最適化手法の適用ではなく,部分個体群毎に異なる適応度関数を用いるという新しいアイディアを検討したが,性能評価に関して,あまり多くのデータに適用できていない点と,部分データ集合の交換を実装していない点で,やや遅れていると思われる. 逆に,より一般的な遺伝的機械学習への拡張という面では,部分個体群と部分データ集合の分割数に関するスケーラビリディ評価が行うことができ,多目的化へ向けた基礎実験に一定の成果が得られたと考えられる.
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今後の研究の推進方策 |
部分個体群サイズに偏りのある実装を引き続き検討し性能調査を行う予定である.多目的な探索として,加重和重み付け適応度関数の重みの偏りのある設定も検討し性能調査を行う予定である. また,ファジィ集合や区間集合だけでなく,区間集合から導出した非均一なファジィ集合の適用と有効性も検証する予定である.
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次年度の研究費の使用計画 |
年度末に必要な消耗品を購入したが,使い切るための無駄な購入を行わないようにしたため,2173円未使用となった. 今年度は,研究成果の発表として国際会議に2回と国内会議3回を予定している.また,研究を進める上で,大学院生にプログラミングやデータ解析の補助を行ってもらう.本年度予算は主にこれらのために用いる予定である.
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