研究課題/領域番号 |
25330294
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 中部大学 |
研究代表者 |
中野 良平 中部大学, 工学部, 教授 (90324467)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 機械学習 / 特異モデル / ニューラルネット / 探索法 / 特異領域 / 複素ニューラルネット |
研究概要 |
1.多層パーセプトロンにおいて新探索法SSF(v2)を確立する研究:これまで可約性写像を用いて特異領域を積極的に利用する探索法SSF(v1)を開発した。本年度は、SSF(v1)を基に機能拡張(隠れユニット数を1から順に増やす方法の他に、指定数の前後だけを探索する方法を追加)と性能向上(多くの探索ルートが同じ解に収束することに着眼して探索を途中で枝刈りして高速化)を図った。前者の成果はNC研究会で、後者の成果は国際会議ICMLDA2013と信学会論文誌論文で発表した。なお、NC研究会論文は、IEEE CI Society Japan Chapter Young Researcher Awardを受賞した。 2.複素多層パーセプトロンの学習において強力な新探索法を確立する研究:入出力やパラメータがすべて複素数である複素ニューラルネットは実ニューラルネットにない魅力と可能性を有する。その一つである複素多層パーセプトロンは、非有界性と周期性を有する関数の近似に威力を発揮すると期待される。本年度は、実多層パーセプトロン用に開発したSSF法をWirtinger微分を用いて複素用に改造した複素SSFを考案し、その有効性を計算機実験で確認した。研究成果はCI研究会とSSI講演会で発表した。 3.Lシステムの文法発見において新解法を考案する研究:Lシステムの文法発見は世界的にもほとんど研究されていない。本年度は、従来提案した枚挙法の代わりに、創発法を導入したところ、発見能力が著しく向上することを確認した。研究成果は国際会議IBICA2013で発表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の計画通り、H25年度は、新探索法SSF(v2)を確立する研究では、機能拡張と性能向上をともに実現し、複素多層パーセプトロンの学習では強力な新探索法を考案できた。
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今後の研究の推進方策 |
H25年度の研究成果は当初の計画通り進展しているが、いずれもさらに改良できる余地があるので、引き続き研究を進めて成果の完成度を高める予定である。そして、当初計画通り、その成果をモデル選択に活用して、有用性を検証する予定である。
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