1.実多層パーセプトロン(実MLP)において強力な新探索法SSFを確立する研究:本研究の前に、特異領域を積極的に利用する実MLP用探索法SSF1.2を開発済みで、それを起点に研究を展開した。H25年度に探索枝刈りを導入して高速化したSSF1.3を開発し信学論やICMLDA2013で発表した。さらに、探索数上限を設けて一層高速化したSSF1.4をNC研究会で発表した。 2.複素多層パーセプトロン(複素MLP)の学習において強力な新探索法C-SSFを確立する研究:複素MLPは周期性を有する関数の近似に威力を発揮する。まず、H25年度にSSF1.2を複素MLP用に改編したC-SSF1.0を開発しICANN2014で発表した。H26年度には探索枝刈りを導入して高速化したC-SSF1.1をIJCNN2015で発表し、さらに探索数に上限を設定して解品質を保持して一層の高速化を実現するC-SSF1.3を開発しNCTA2015で発表した。C-SSF1.3を予測不可能とされるカオス時系列の予測に適用して得た良好な結果を来るIJCNN2016で発表する。 3.特異モデル選択の情報量基準を模索する研究:特異モデルのモデル選択では、漸近正規性が使えず正則モデル用の情報量基準が使えない。特異モデル理論研究の成果として、近年WAICとWBICが確立された。その評価法としてサンプリング法が有望である。本研究で開発したSSFをサンプリング法として良い実験結果を得たのでICANN2016に投稿した。 4.変異を加えた文からLシステム文法を発見する新解法を考案する研究:Lシステム文法発見の研究は世界に例がない。本研究の前に、枚挙法を用いるLGIC1を開発済みで置換型変異を加えた文から正解文法を発見できたが、挿入型や消去型の変異に弱いので、H25年度に創発法を用いるLGIC2を開発し欠点を克服した。研究成果はIBICA2013とKDIR2014で発表した。
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