ヒトが同じ運動を繰り返し行ったときの各試行間での運動の変動には,神経系にとっての制御目的やその実現を助ける協調構造などの情報が隠れているとされるが,詳細はわかっていない.本研究では,一定速度での自転車ペダリング運動における関節角速度や関節トルクの変動には,それぞれクランク接線方向でのペダル軸の速度や力の変動を抑制しようとする傾向がみられることなどを示した.また,筋骨格モデルと静的最適化を用いて,関節角度やその高次微分のデータから,運動指令や筋活動を高精度に推定する新しいアルゴリズムを提案した.本研究の成果は,神経筋骨格系における運動制御メカニズムの工学的な理解につながる.
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