研究課題/領域番号 |
25330317
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 宇都宮大学 |
研究代表者 |
東海林 健二 宇都宮大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (70143188)
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研究分担者 |
森 博志 宇都宮大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (80538447)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 手書き線画 / 彩色 / ドロネー三角形分割 |
研究概要 |
提案手法の検討を行った。提案手法では、最初に入力線画を細線化し、その後、適切な密度で線上の点をサンプリングし、分割線が描画線と交差しないという制約の下で、サンプリング点群を頂点としてドロネー三角形分割する。そして、参照カラー画像の各三角形領域で平均色を求める。この時点で、平均色で塗りつぶした三角形のすべてを描画すると、隣り合う三角形間で色の差の大きいモザイク画像となる。そのため、一つの三角形Aに着目し、これに辺で接する3つの近傍三角形B、C、Dの計4つの三角形で面積の重みを付けた平均色を求め、これを三角形Aの色とする平滑化を行う。このとき、たとえば三角形Dが描画線の向こう側にある場合は、三角形Dはこの計算に用いない。その結果、平滑化において描画線を越えて直接色が混じることはなく、描画線が色を分ける線の役割を演じる。平滑化は繰返し行い、彩色結果を得る。この提案手法をそのまま実装した試作システムを作成し、これを研究組織および指導する大学院生で試用した。その結果、問題点の一つとして線の描画が彩色結果にどのように影響するのかの把握がしにくい点が挙げられた。そこで、入力されている描画線に対して彩色を行った結果を実時間表示するシステムを提案・試作した.描画しながら彩色結果の変化を常に確認出来ることから,対話的な絵画風画像制作を行えるようになった.描画線が描かれるたびに次々と変化の起こる映像が生成されるため,これを映像コンテンツとして利用することも考えられる.その成果は、映像表現・芸術科学フォーラム2014で発表した。 提案手法で利用する制約付きドロネー三角形分割は,幅一定の領域抽出に利用可能であることを確認し、国際会議Electronic Imaging 2014で発表した。幅一定の領域抽出は、紙面に描かれた描画線ストローク抽出の目的で、次年度に利用する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
感性評価実験が未実施であるが,線画のオンライン入力・実時間彩色の試作システムを予定を繰り上げて作成した点で,全体としておおむね順調と判断した.感性評価実験については,実験方法を検討した結果,タブレット等のオンライン線画入力では,利用者のタブレットへの慣れや好みの影響が強いと判断した.感性評価実験のためには,紙面上にペンで線画を描いて,それをスキャナ等で入力して彩色するオフライン線画入力システムが必要と考えられるが,これは現在未実装である.その実装は次年度の課題とする.
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今後の研究の推進方策 |
今年度試作した線画のオンライン入力・実時間彩色システムのUIを再検討し,デモ展示可能とする.同時に,紙面に描いた線画をオフライン入力するシステムを構築し、感性評価実験や多人数での一斉利用を可能とする。また,タブレット端末への実装を検討する.
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次年度の研究費の使用計画 |
購入を予定していたポータブルプリンタのバッテリーが年度内に納入が困難であったため. ポータブルプリンタのバッテリーを購入予定.
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