研究課題/領域番号 |
25330323
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 九州工業大学 |
研究代表者 |
堀尾 恵一 九州工業大学, 生命体工学研究科(研究院), 准教授 (70363413)
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研究分担者 |
磯貝 浩久 九州工業大学, 大学院情報工学研究院, 准教授 (70223055)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 関係データ / 定性的 / データ集合間の関係性 / 自己組織化マップ |
研究概要 |
本申請研究は,人間を対象とする関係データの解析において,定性的かつ多元的に表現された関係データを取り扱う解析手法の確立および一般化を目的としている.ここでの定性的かつ多元的とは,好き嫌いの感情や信頼性の評価など,数値化が困難な複数の指標を意味する.また,データのクラスタリング手法を構築し,データ集合の(メタ的な階層性も含む)階層性の解析への拡張を試みることも目的である.さらに,スポーツにおいて重要とされている動機づけに関して,チーム内の人間関係が個人の動機づけや競技成績に与える影響を解析するために,チーム構成員への意識調査に基づいて,チーム内の人間関係を適切に表現する関係データの構築を行うことを目指している. 上記の目的を達成するために,本年度は,人が係るデータでありながら,比較的取り扱いが容易なスポーツデータの解析を行った.具体的には,バスケットボールや野球などのチームスポーツにおいて,個人の成績およびチームの成績の関係性を明らかにすることを目的として,自己組織化マップ(SOM)およびその拡張モデルであるテンソル分解型SOM,階層型SOMに基づいた解析を行った.SOMは1つのデータ集合内のデータの関係性を可視化するツールとして広く利用されており,本研究では個人のデータの解析に利用した.階層型SOMは複数のSOMの結果に関する関係性をさらに上位のSOMで可視化するものであり,本研究では,上位のSOMでチーム間の関係の解析を試みた.上位のSOMの結果から,強豪チームの特徴として,選手のバランスが非常に重要であることが示唆された.今後,個人データのみではなく,本研究の最終的な目的である定性的な関係性を取り入れた解析手法へ拡張する予定である.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度の研究計画であるデータ集合間の関係性を可視化することに関しては,その基礎的な手法の確立を実現できた.また,多元的に表現された関係性を取り扱うことに関しては,マルチモーダルなセンサを融合する研究において,その基礎を実現できたと考える.チームスポーツのデータに関しては,2014年度からデータを収集する計画で話が進んでいる.
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今後の研究の推進方策 |
当初の計画通り,多元的に表現された関係データの解析手法を確立すること,また,定性的に表現された関係データの取り扱い方法を検討することが課題となる.多元的な表現に関しては,本年度の成果を統合することで実現可能であると考えている.一方,定性的な表現に関しては,感性情報などの分野の研究者と意見交換を行いながら進めていく予定である.
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次年度の研究費の使用計画 |
計算機サーバーを購入予定であったが,本年度は大規模データを取り扱う必要がなかったので,既存の計算機で代用が可能であった. 来年度は,大規模データを高速で演算する必要があるので,計算機サーバーを購入予定である.
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