本研究の目的は動画像評価において意識構造を把握できる時系列解析手法を構築することである.まず,評価に対してショット間の相互作用が重要になり得るので,重み付き加法形モデル(ある定数のべきで表される係数を持つ自己回帰モデルに対応)の適用条件を導出する.これは外延構造の一般化によって行われるため,任意有限個のショットから成るシーンの選好比較に本モデルを適用するときの妥当性を検証できる.次に,複数回のショット交錯を有するシーンにおいて,各回のショット交錯が視聴者の退屈感に与える影響を時系列解析によって考察する.退屈感が急激に上昇する被験者では過去のショット交錯がこの上昇に寄与していることが示唆される.
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