研究課題/領域番号 |
25330331
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研究機関 | 京都産業大学 |
研究代表者 |
荻野 晃大 京都産業大学, コンピュータ理工学部, 准教授 (40407870)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 感性工学 / 感性情報学 / 感性データベース / 感性情報処理 / 情報推薦 / 気づき支援 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、モノに関する個人の感性をモデル化する仕組みと、そのモデルをベースとして個人が感性をもつ範囲を広げる(『感性を豊かにする』)支援をする仕組みをもつ感性情報システムを開発することである。本年度の具体的な目的は、感性に適合した上で意外性・発見性を加味したモノを選定する仕組みの開発することである。 本年度は昨年度に引き続き、個人の感性に関係するモノの特徴を抽出し、感性とモノの特徴の関係を機械学習を用いてモデル化することで、コンピュータでシミュレーションできる感性モデルのプロトタイプを作成とその改良をおこなった。そしてこの感性モデルを用いて、ファッションコーディネートを例題として、その個人の感性に適するファッションを選定しつつ、その個人の感性を広げるようにファッションコーディネート(例、好きな色は使いつつ、服の種類を替える)を提案する仕組みのプロトタイプを作成した。 具体的には、ファッションコーディネートにおいて個人の感性を広げる方法として、各個人のファッションに対する印象(例、さやわか)と関係のあるファッションの特徴(例、色)をラフ集合を用いて抽出し、その特徴(例:色)を使いつつ、ファッションコーディネート専門的な知識(例:配色技法)に基づいて、より印象に適するコーディネートを提案する仕組みを開発した。ここで重要な点は、個人がどのような特徴に注目しているのかをコンピュータが理解している点で有り、それを踏まえて感性を広げる方法として、闇雲にコーディネートを提案するのではなく、専門的な知識に基づいて提案している点にある。これにより、個人の感性に適合した上で意外性・発見性を加味した情報推薦を実現している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
昨年度は、ファッションを題材として、ラフ集合によるルール抽出とそのルールの変更により、感性情報システムが個人に対して発見性・意外性のあるファッションコーディネート提案する仕組みのプロトタイプを作成することができた。アプリケーションは、3DCGで上下の服飾を作成し、3DCGを組み合わせる仕組みを開発している。しかしながら、その提案がどの程度の発見性・意外性のあるモノなのかを指標化するまでには至っていない。今年度は、発見性・意外性の度合い化に関して、ラフ集合によるルール抽出の他に統計解析の手法を用いて、情報量や頻度の観点から定義事に取り組む予定である。
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今後の研究の推進方策 |
今年度は、システムの提案したファッションコーディネートに対する利用者の発見性・意外性の度合い化に関して、ラフ集合によるルール抽出の他に統計解析の手法を用いて、情報量や頻度の観点から定義事に取り組む予定である。また、最終年度であるため研究成果のまとめと論文化に取り組む。
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次年度使用額が生じた理由 |
計画では、最終年度に物品を購入する予定にしていなかったが必要になったためと、最終年度である本年度に研究成果を学会発表するための旅費が必要となったため。
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次年度使用額の使用計画 |
物品購入と、海外での研究成果発表に利用する予定である。
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