研究課題/領域番号 |
25330344
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 広島市立大学 |
研究代表者 |
釘宮 章光 広島市立大学, 付置研究所, 准教授 (50285433)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | アミノ酸 / 酵素 / 病態計測 / バイオセンサー / マイクロチップ |
研究概要 |
本研究は、血中あるいは尿中のアミノ酸濃度を計測し、そのアミノ酸の濃度パターンである「アミノグラム」によって健康チェック、病態チェックを行うという画期的な手法を提案するものである。本研究期間内においては3~5種類程度の複数のアミノ酸濃度が計測可能な条件を確立することまでを目標とする。そして将来的には20種類のアミノ酸を同時計測可能なチップを開発することで、1枚のマイクロチップで複数の疾患が同時診断可能になると考えられる。 本年度は、吸光法により20種類の各アミノ酸に対して特異性を示す酵素であるアミノアシルtRNA合成酵素(aaRS)を各アミノ酸に対する分子認識材料に用い、それらアミノ酸を計測するのに適したバッファーやpHの他、添加試薬などの条件についてマイクロプレートリーダー(保有装置)を用いて検討を行い、評価を行った。そして研究代表者らが従来示していたよりも広い濃度域での定量、つまり数μM~数百μMの濃度域で、リジン、プロリン、アスパラギンなどの目的のアミノ酸の選択的が可能なことを示した。 また、26年度実施予定であった、より迅速で簡便な計測法を提案するためにaaRS酵素を固定化した樹脂を内容量が300μL程度のリアクターに充てんし、送液装置と接続したフロー型のセンサーシステムについても構築し、応答の評価を行った。その結果、数μM~400μMのリジンが選択的に計測可能であることも示した。また10~20分程度の時間で計測が可能であった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
【研究実績の概要】に一部述べたが、本年度は20種類の各アミノ酸に対して特異性を示す酵素であるaaRSを各アミノ酸に対する分子認識材料に用い、それらアミノ酸を計測するのに適した各種条件について検討を行い、評価を行った。そして研究代表者らが従来示していたよりも広い濃度域での定量、つまり数μM~数百μMの濃度域で、3種類の目的のアミノ酸の選択的計測が可能であることを示した。これにより、研究申請者は20種類のアミノ酸の内、17種類の各アミノ酸について本手法により計測可能であることを示したことになる。 また、先行して26年度実施予定であったフロー型のセンサーシステムについても構築し、数μM~400μMのリジンが選択的に計測可能であることも示した。
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今後の研究の推進方策 |
本年度は、酵素を固定化したマイクロビーズを用いたリアクター型のマイクロフローセンサーシステムを構築することで迅速簡便な計測法の確立を目指すこととする。また、25年度に検討ができていない、HPLC(保有装置)を用いることによる反応生成物や副生成物の定量評価を行い、より適切な反応条件を探る。
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次年度の研究費の使用計画 |
旅費の139,290円、その他費目の26,482円の残高があったことが大きいと考えられるが、これは海外出張において廉価な航空券の購入などにより生じた余剰金である。 主に物品費として使用し、HPLCのカラムの購入等に充てる。
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