哺乳類が匂いをくんくんと嗅ぐ行動であるスニッフィングは随意運動で,そのリズムは行動コンテキストに応じて制御されている.嗅覚一次中枢である嗅球の出神経細胞がスニッフィングリズムに同期した活動を示すことは古くから知られてきた.これまで,計算論的研究においてリズム入力を匂い情報表現に利用したモデルは存在するが,リズムの意識的制御の匂い情報表現における機能的・認知的意味は議論されていない.本研究では,スニッフィングリズム制御を,匂い情報を異なる分解能でとらえるためのアクティブな活動と捉え,システム自身が生成する時間的リズムを積極的に利用し匂いの情報表現を多形化するモデルを提案・構築した.
|