研究課題
基盤研究(C)
(1)MDおよびMMPBSAに関する種々のパラメータの検討の結果、MMPBSAによるT細胞レセプター・pMHC間結合自由エネルギーの計算に現実的な精度および再現性が得られる見通しを得た。ようやく、MHCに提示されるペプチドの系統的な配列の変化に対する結合エネルギーの変化の計算を進める前提が満たされた。(2)MHC結合ペプチド上に系統的なミューテーションを入れたTCR-pMHC複合体の3次元モデリングをホモロジーモデリングに基づき効率的に行う手法を確立し、実際に総計数百に及ぶモデルを生成した。この手法の確立により、被提示ペプチドに系統的ミューテーションを入れた複合体のMD計算を直ちに行うことができるようになった。(3)ゲノム上のT細胞レセプターの各セグメントに対する配列に基づき、T細胞レセプター配列を構成するところまでほぼ、こぎつけた。(4)Miyazawa-Jerniga matrix およびstring model に基づく結合エネルギー予測に関するcharacterizationを進め、国際免疫学会、日本免疫学会で報告した。H25年度の計画は(1)、(2)、および実際のミューテーションを含んだ総計数百に及ぶ複合体のエネルギー計算を行うことであったが、その計算を実際に行うにはいたっていない。これは、(1)に予想以上の時間を要してしまったことが理由である。一方、26年度目標の一部を先取りして行うことができたこと、従来から行っていたMiyazawa-Jernigan matrixによるエネルギー評価法に関して報告し得たことはある程度評価に値すると考える。
3: やや遅れている
十分な計算精度・再現性を得るための条件検討がかなり膨大となったため予想より時間がかかってしまった。一方、系統的な被提示ペプチド上のミューテーションの生成および複合体の3Dモデリングは予想以上に順調に進んだ。マウスゲノム配列より、実際の生体内での反応を擬してT細胞レセプターを再構成する手法は比較的順調に進んだ。
現実的な計算精度・再現性が得られることがわかったこと、系統的なミューテーションを導入したTCR-pMHC複合体の3Dモデルができたことから、実際にこれらの複合体に対する本計算(productive run)を行う。
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