平成25年度から平成27年度の期間で行う予定だった本研究は、期間内に1年間だけ研究協力者(学生)を得たが十分な研究時間を得られなかったため、ほぼ研究代表者だけで研究を遂行した。また、利用するプログラム群の移行作業に手間取るなどの原因で、期間内に終了することができず研究機関を平成28年度まで延長した。 平成27年度までに構築した、タンパク質ディスオーダー領域予測法(POODLE-SとPOODLE-L)および、タンパク質二次構造予測法(PSIPRED)、タンパク質・可溶性予測(ESPRESSO)、タンパク質機能DB(Pfam)を用いたタンパク質ディスオーダー領域における機能部位予測プログラムは、その予測精度(Accuracy)が目標の70%以上にならなかった。その原因がタンパク質ディスオーダー領域予測プログラムの異常終了であった。 平成28年度は、その異常終了の原因を解消して再計算したが、目標である既存の方法の予測精度(70%)より下回る予測精度(66%)しか得られなかった。また、Sensitivity(True positive Rate)の値では、既存の方法で62%以上を実現しているのに対し、本研究では、21%と低いレベルである。現状の予測精度では不十分であるが、本年度で延長期間が終わるため、現状のタンパク質ディスオーダー領域予測プログラムを実装したウェブシステムを構築し、目標の予測精度の手法開発後にプログラムだけを入れ替えて使えるようにした。 今後、科研費研究機関終了後も本研究を進めて、目標の予測精度70%以上の手法を開発して論文にまとめるとともに、それを実装したウェブシステムを一般公開したい。 平成29年度は、本研究に意欲を持って取り組んでくれそうな学生が加わることになり、既にタンパク質ディスオーダー領域予測やタンパク質発現・可溶性予測の手法についての説明を行っている。
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