研究課題/領域番号 |
25330357
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 宇部工業高等専門学校 |
研究代表者 |
三谷 芳弘 宇部工業高等専門学校, 制御情報工学科, 教授 (30321227)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | コンピュータ支援診断 / 胸部高分解能CT画像 / びまん性陰影 / 医用画像処理 / 画像認識 |
研究概要 |
胸部高分解能CT画像から異常陰影を高精度に自動検出する方法を検討している.より高精度な異常陰影自動検出のため,「局所ヒストグラム特徴」と「スライス特徴」とを組み合わせた特徴を検討する.相異なる特徴を組み合わせることにより識別性能が改善することが期待される.すなわち,濃淡情報を反映した「局所ヒストグラム特徴」と,形状情報を反映した「スライス特徴」とを組み合わせることにより,さまざまなタイプの異常陰影に対応可能と期待される.ここでは,異常陰影の識別方法について,2つの特徴の組み合わせ方の検討が課題となる.研究実績としては,組み合わせた特徴を検討する前段として,「スライス特徴」の高精度化を図り,「局所スライス特徴」を提案し,その有効性を計算機シミュレーションにより示した.ここで,「スライス特徴」とは,画像のある輝度値を閾値として2値化し,2値画像から何らかの特徴を求める.これを,いくつかの閾値値毎に特徴を求めたものをスライス特徴と言う.従来の「スライス特徴」は,画像の輝度の全範囲から特徴を取得する.一方,提案した「局所スライス特徴」は,画像の輝度に対しウィンドウを設定し,その設定範囲から局所的に特徴を習得する.ウィンドウの設定は,ウィンドウの中心とその範囲を定めることによりなされる.これにより,画像の輝度範囲をきめ細かく設定することができ,より有用な特徴が得られたことが計算機シミュレーションを通して示された.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
胸部高分解能CT画像から異常陰影を自動検出するために,「局所ヒストグラム特徴」と「スライス特徴」とを組み合わせた特徴を検討することが課題であった.しかしながら,その前段階の個別の特徴である「スライス特徴」の高精度化を図ったため,やや遅れている.
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今後の研究の推進方策 |
胸部高分解能CT画像から異常陰影を自動検出するために,2つの特徴「局所ヒストグラム特徴」と「局所スライス特徴」との組み合わせ方について検討する.相異なる2つの特徴の組み合わせ方については,2つのアプローチが考えられる.一つ目は,2つの特徴に重み付けを行い一つの特徴を新たに生成し識別器により識別する.二つ目は,特徴毎に識別器により識別し,これらの識別結果を統合する.これら各々の方法にも,いくつかのバリエーションが考えられ,計算機シミュレーションを通して特徴の組み合わせ方及び識別方法を検討する.また,2つの特徴を組み合わせることにより,必然的に増大する次元数を削減する方法を検討する.ここでは,Fisher比を用いた特徴選択法を検討する.さらに,異常陰影の識別結果を分類毎に色付け提示するシステムを作成する.
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