本研究課題では,特定の話題に関連するTwitter上のユーザ推薦手法に関する研究を行っている.ユーザが発信するツイートは最大140字と短く,ツイートに出現する語句を手掛かりに話題に関連するツイートやユーザを発見することは困難である.本研究では,リツイートやリプライといったTwitter上での各ユーザの行動や,話題に関連するニュース記事等の外部情報,DBpedia等のオントロジーを利用することにより,話題関連ユーザを発見する手法を開発した. 平成27年度は,前年度までに本研究チームが開発したTwitterユーザ推薦手法を利用し,特定の話題に関連するツイートを発見する手法の研究を行った.先に指摘した通り,短いツイートに出現する語句を手がかりに話題に関連するツイートを発見する手法は有効ではない.一方,その話題に興味を持つユーザは,積極的にその話題について発信したり,関連するツイートに関わったりする傾向にある.本手法はこの特徴に着目している. 本手法は,準備段階と主段階の2つの段階からなる.準備段階では,本研究チームが開発したユーザ推薦手法を利用し,注目する話題を表すキーワードで検索したツイートに関わっているユーザの中から,有益な情報を発信するユーザ(話題関連ユーザ)を特定する.さらに,検索で得られた全ユーザの,その話題におけるTwitter上での影響力を2種類定義し,それを計算する.主段階では,準備段階で特定した話題関連ユーザが発信,リツイートしたツイートを対象に,それを発信,リツイート,リプライしたユーザの2種類の影響力をもとに,各ツイートの話題に対する関連度を計算し,順位付けを行う.評価実験により,話題関連ユーザが多く発信,リツイート,リプライするだけでなく,それ以外のユーザの関わりの低いツイートは,その話題に関連するツイートである可能性が高いことを示している.
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