研究課題/領域番号 |
25330374
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研究機関 | 有限会社自然医科学研究所(実証システム国際研究センター) |
研究代表者 |
成田 徹郎 有限会社自然医科学研究所(実証システム国際研究センター), その他部局等, 研究員 (30521372)
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研究分担者 |
武藤 正樹 国際医療福祉大学, その他の研究科, 教授 (60433629)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 認知症ケア / ゲーミフィケーション / データマイニング / 労務環境調査 |
研究実績の概要 |
本研究の2年目である平成26年度は、研究代表者の所属機関変更等により、調査研究の開始が遅れたが、次のような段階まで進展している。 1)ゲーミフィケーションのフレームワークによるレクレーションプログラムの検討:実施されているレクレーションプログラムを、ゲーミフィケーションのダイナミクス、メカニクス、コンポーネントの3要素に分解し、不足していると思われる要素を整理した。 2)評価指標の検討:認知症の重症度の測定にNPIを実施したところ、対象者の半数は測定できなかったが、介護者の観察評価からは、利用者に共通する問題行動として6項目が抽出された。この6項目がレクレーションプログラム中に起きる頻度を、5段階のリッカートスケールで表わすインタビュー項目として設定し、NPIと組み合わせることにした。 3)作業負荷とノウハウの集中:利用者の1日のケアの成果がきまるほど重要なレクレーションプログラムが毎朝実施されているが、レクレーションプログラムと介護従事者の労務環境調査の分析から、その実施は「人」に依存していることが明らかになった。そのノウハウを標準化して、作業負荷の平準化を図れないか、プログラム内容の変更に合わせて、調査分析を試みる。 4)研究成果報告会:2015年3月16日(月)15:00~17:00、国際医療福祉大学大学院青山キャンパス(戸田ビル青山4Fホール)にて、研究成果報告会を開催した。本研究の中間成果を報告するとともに、認知症を支えるネットワーク構築に関する講演、認知機能検査支援システムの紹介を行い、認知症ケアの評価について参加者と議論した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究代表者の所属機関変更と、認知症デイサービス調査研究の協力先であるソラスト武蔵小杉人事異動が重なり、今年度の調査研究の開始が予定より遅れ、全体のスケジュールがずれ込んだことによる。
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今後の研究の推進方策 |
平成27年度は、本研究の最終年度であり、データマイニングとゲーミフィケーションによる認知症ケアプログラムの評価方法について、一定の方向性を示す。具体的には、平成26年度の解析結果を踏まえて、ゲーミフィケーションの要素を取り入れたレクレーションプログラム2か月、通常プログラム1か月を1クールとして、その前後に利用者の状態とプログラム実施者の作業についての変化を分析・評価する。その結果を反映して改善したレクレーションプログラムを1クール実施し、分析・評価の結果を比較し、改善に使用した評価指標の有用性を検討する。その成果を公開シンポジウムで発表し、認知症ケアに関わる関係者と議論し、精度を高める予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
平成25年度は認知症デイサービスの利用者の同意に時間がかかったこと、平成26年度は研究代表者の所属機関変更と、認知症デイサービス調査研究の協力先で人事異動により調査研究の開始が遅れたことから、調査予定スケジュールが全体的にずれ込んだことによる。 ゲーミフィケーションの要素を取り入れたレクレーションプログラムの実施と観察調査、それに伴う労務環境調査は平成27年度に行うことになったため、当該調査に関する外注費、資料整理等の謝金、物品費は次年度に持ち越した。また、他の認知症ケア施設訪問調査も平成27年度に繰り延べたので、旅費も次年度に使用することになった。
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次年度使用額の使用計画 |
繰り延べたゲーミフィケーションの要素を取り入れたレクレーションプログラムは、評価尺度の感度を確認するために対象者を増して実施する予定である。観察調査のデータ入力、労務環境調査とレクレーション業務手順解析に、前年度分の未使用額と今年度予に計上した外注費、資料整理等の謝金、物品費を使用する。解析結果をもとに他の施設と評価指標の有用性を検討する予定で、持ち越した旅費を使用する予定である。
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