当該年度に実施した研究の成果の具体的内容は、ベッドに敷くマット状の圧力センサ(Boditrak社製 圧力分布測定装置FSA/BodiTrak BT3510)を用いて、被介護者の寝返りの頻度などの状態を検知することで、睡眠状態に異常がないかどうかを検知するシステムを開発し、さらに精度を改善したことである(国際会議で発表、およびSensor&Materials誌の学術論文(査読有)として採録決定)。 研究の成果の意義は、マット状の圧力センサから得られる特徴量を用いて、被介護者の体圧の変化や重心の移動を検知した成果であり、本研究課題の目的の一つである「被介護者を対象とした知的行動計測システム」のうちの「被介護者のための見守り・異常検知システム」実現のための基盤技術となりえる点である。 研究の成果の重要性は、主にベッド上で過ごす時間の長い被介護者に対して、どのようなセンサを用いれば、より安全で効果的な見守りを実現できるかを実験し、その結果としてマット状の圧力センサによって、本研究課題の目指す見守り(主に睡眠状態の把握)ができることを明らかにした点である。 被介護者にとって負担をかけることのない非装着型のセンサによって睡眠状態を見守ることで、睡眠障害の兆候をいち早く検知し、加療必要性の有無の早期検討を実現することは、被介護者への手厚い見守りを提供できるという点で介護サービスの品質向上実現につながるため、今後も継続して睡眠状態を見守る機能の精度向上に取り組む計画である。
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