本年度は,当初の研究期間の延長により,前年度の研究計画の積み残し部分について研究を進めた。特に本年度の研究では,これまでの学校図書館担当者(司書教諭・学校司書)の養成と研修に関する研究成果をまとめ,公表し,今後の研究の方向性を検討することを重点とした。本年度の主な研究成果としては,訪問調査として実施した研究結果をまとめ,平成29年11月に学術論文「小中学校司書教諭・学校司書の学習支援に関する職務への教員の要望:質問紙調査の分析から」が『日本図書館情報学会誌』(63(3),2017)に掲載された。またこれまでの研究成果の報告会と今後のデジタル社会における学校図書館の在り方の研究会を兼ねて平成29年12月「学校図書館シンポジウム」を実施した。本シンポジウムは,本科研費補助金基盤研究(C)(研究代表者・平久江祐司)と科研費補助金基盤研究(C)「学校図書館職員の技能要件と資格教育のギャップに関する実践的研究」(研究代表者・小田光宏)と共催し,日本図書館情報学会,日本図書館協会図書館情報学教育部会,全国学校図書館協議会の後援を得て青山大学で開催した。参加者数67名で,基調講演(1名),講演(3名),これらの発表者に2つの科研の研究代表者2名が加わりパネルディスカッションを行った。その成果物としての『学校図書館シンポジウムの記録』を刊行した。また,本年度は本研究の最終年度に当たり,平成30年3月本研究プロジェクトの成果報告書『デジタル社会における司書教諭・学校司書の研修制度に関する総合的研究』を刊行した。
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