英国における公共図書館閉館への抗議運動等を中心に,市民の政策過程への関与の実態,その影響力,政府,官僚,各種の利益団体等の他の政策アクターとの関係について検証した。政策関連の集会における観察調査,関係者へのインタビュー調査等を行った結果,抗議や制度的な市民参画を通し,市民が,利用者としての受動的存在から,政策過程に積極的に関与する存在に変化しつつあることが明らかとなった。しかし抗議運動を展開する市民が,従来の直営に維持を望む一方で,政府側は,財政的理由から,市民がサービス実施や経営に自ら関与することを求めており,両者の意見の相違は大きいことが明らかとなった。
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