研究課題/領域番号 |
25330388
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研究機関 | 鶴見大学 |
研究代表者 |
角田 裕之 鶴見大学, 文学部, 教授 (30454961)
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研究分担者 |
天野 晃 国立研究開発法人物質・材料研究機構, 総合型材料開発・情報基盤部門, NIMSエンジニア (20622012)
石川 大介 文部科学省科学技術・学術政策研究所, その他部局等, 上席研究官 (70554335) [辞退]
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 図書館情報学 / 計量書誌学 / 灰色文献 / 機関リポジトリ |
研究実績の概要 |
研究最終年の平成29年度は、機関リポジトリに蓄積された灰色文献を調査した。大英図書館(British Library)によれば、「灰色文献とは通常の書店では識別・取得が困難な資料」と定義し、広範囲な学術資料を対象としている。代表的な灰色文献には、紀要、学位論文、国際会議や学会発表の予稿集、調査報告書等がある。これらの灰色文献は機関に所属する研究者が執筆している。本研究では、日本論文とは日本に設置された機関に所属した研究者が執筆した資料と定義した。各国の機関リポジトリには、学術の共通語である英語で執筆された論文もあるが、母国語で執筆された論文も多数蓄積されており、例えば日本の機関リポジトリには多くの日本語の論文も蓄積されている。これらは勿論、日本論文である。 本研究では世界のトップ100大学の機関リポジトリに蓄積されている灰色文献を調査した。調査方法は、まず、対象の大学をタイムズ・ハイアー・エデュケーション世界大学ランキング(World University Rankings)から選出した。次に、調査大学が設置する機関リポジトリを英国のノッティンガム大学(University of Nottingham)が提供するオープンアクセスリポジトリ名簿(Directory of Open Access Repositories)から特定した。各大学の機関リポジトリのウエブサイトから灰色文献の件数を調査した。 調査の結果、灰色文献のうち学位論文が38%、データセットが16%、マルチメディア資料が11%、報告書が10%の蓄積が明らかになった。大学ランキングを決定する5つの指標(教育、国際、研究、引用、産業)との相関分析の結果、灰色文献数は研究指標と相関が高いことが明らかになった。 本研究成果はポーランドで開催された国際図書館連盟(IFLA)2017年次大会で発表した。
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