研究実績の概要 |
最終年として, 本プロジェクトを通して得られた示唆を還元するため,学校図書館分野ではあるが,佛教大学の『教育学部学会紀要』と『学図研ニュース』に支援の手立てを記した。併せて, 課題4「大学内の他部署や外部の支援組織団体と大学図書館における連携効果の検証」, 課題5「大学図書館の研修の内容と方法を検証」で得た知見を英語論文の投稿準備を行った。以下は、課題4と課題5の概要である。 連携面では, 回答者67名の 6 割がチームアプローチの観点から行っていた。連携を行ううえでの長所として,主に「コミュニケーションチャネルをつくれること」,「相互の業務におけるつながり」,「図書館業務に対する理解」が挙がった。 研修面では, 研修内容の高い順に,「特別な教育的ニーズの知識」・「著作権を含めた電子教科書に関する情報」・「学生のふるまいにおける対処法」, 「インクルージョンに関する知識全般」だった。 研修先が高い順では, 大学図書館研究会・学内研修・オンラインサイト, JISCTechDisサイト(2014年当時) だった。しかし, 研修内容によっては, 研修先が異なった。「学生のふるまいにおける対処法」では,学内研修, オンライン研修が上位を占めた。「著作権を含めた電子教科書に関する情報」では, 大学図書館研究会, JISCTechDisサイトが上位を占めた。「インクルージョンに関する知識全般」では,学内研修, 大学図書館研究会が挙がった。 研修の役立ち度では,「やや役立った」も含めると97%が肯定していた。また, 研修を通して, 特別なニーズがある学生への見方や対応の変化では, 「少し変わった」も含めると82%が肯定していた。そして, 回答者の50%以上が「問題と捉えていない」と評価した9項目のうち6項目が,コミュニケーションチャネル(3項目)や図書館業務に対する意識(3項目)と関係していた。
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