研究課題/領域番号 |
25330396
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
池内 淳 筑波大学, 図書館情報メディア系, 准教授 (80338607)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 公立図書館 / 電子書籍 / 費用便益分析 |
研究概要 |
電子書籍時代の到来をひかえて、これからの公共図書館が、サービス提供やコレクション形成などの観点から、電子書籍をどのように受容していくべきであるのか、その政策上の意思決定に資するエビデンスを提供することを目的として、(I)電子書籍市場の動向の定量的把握、(II)紙媒体による読書と電子媒体による読書の比較実験、(III)電子書籍を提供する図書館の実態調査、(IV)図書館向け電子書籍サービスベンダーのビジネスモデルの実態調査、(V)電子書籍サービスに対する市民の潜在的ニーズの把握、(VI)公共図書館における電子書籍サービスの費用便益分析、といった六つの観点から研究を推進している。 平成25年時点で、電子書籍サービスを実施している公共図書館は20館程度であり、提供されるコンテンツは十分であるとはいえないことから、まず、電子書籍サービスに対する住民の潜在的ニーズや、電子書籍の購読経験などを把握するために、関東地方の三つの公立図書館の協力を得て、来館者調査を実施した。併せて、来館者調査から得られたデータに基づいて、仮想評価法(CVM)とトラベルコスト法を用いて、公共図書館(サービス)の経済価値を測定するとともに、費用便益分析を行った。 また、従来の紙媒体による読書と電子書籍端末、タブレット、スマートフォン等による読書が、文書理解、記憶力、想像力、読書速度、読みやすさ、といった諸要素に、どのような差異をもたらすのかを明らかにするための実験を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究期間を通じて実施予定である六つの研究のうち、本年度は、(I)電子書籍市場の動向の定量的把握、(II)紙媒体による読書と電子媒体による読書の比較実験、の二つ研究を実施することを計画していたが、これらに加え、次年度以降に行う予定であった、(III)電子書籍を提供する図書館の実態調査、(IV)図書館向け電子書籍サービスベンダーのビジネスモデルの実態調査、(V)電子書籍サービスに対する市民の潜在的ニーズの把握についても研究に着手することができた。
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今後の研究の推進方策 |
平成26年度も継続して、(I)電子書籍市場の動向の定量的把握、(II)紙媒体による読書と電子媒体による読書の比較実験、(III)電子書籍を提供する図書館の実態調査、(IV)図書館向け電子書籍サービスベンダーのビジネスモデルの実態調査、(V)電子書籍サービスに対する市民の潜在的ニーズの把握について、研究を推進するとともに、これまでの研究成果の公表を積極的に行う。
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次年度の研究費の使用計画 |
平成25年度内に研究を終了し、平成25年度内に研究発表申請を行ったもので、実際には、平成26年度に研究発表を行うための学会参加費、および、出張費に支出するため。 国内で開催される学術会議で研究成果を公表するための参加費、および、参加のための交通費が主な仕途である。
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