電子書籍時代の本格的な到来をひかえて、これからの公共図書館が、サービス提供やコレクション形成などの観点から、電子書籍をどのように受容していくべきであるのか、その政策上の意思決定に資するエビデンスを提供することを目的として、(I)電子書籍市場の動向の定量的把握、(II)紙媒体による読書と電子媒体による読書の比較実験、(III)電子書籍を提供する図書館の実態調査、(IV)図書館向け電子書籍サービスベンダーのビジネスモデルの実態調査、(V)電子書籍サービスに対する市民の潜在的ニーズの把握、(VI)公共図書館における電子書籍サービスの費用便益分析、といった六つの観点から研究を推進している。 平成27年度は、主に、(II)紙媒体による読書と電子媒体による読書の比較実験、および、(IV)図書館向け電子書籍サービスベンダーのビジネスモデルの実態調査を実施した。 (II)紙媒体による読書と電子媒体による読書の比較実験については、平成26年度に引き続き、紙と電子の読みの相違と環境光の明暗が、文書の校正作業にどのような影響を及ぼすのかを明らかにするための比較実験を実施した。 また、(IV)図書館向け電子書籍サービスベンダーのビジネスモデルの実態調査については、OverDrive社(米国クリーブランド)等への訪問調査を行った。
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