電子書籍時代の到来を控えて、公共図書館が電子書籍をどのように取り込んでいくべきであるのかは重要な論点となっている。本研究では、日本の公共図書館政策に資するエビデンスを提供することを目的として、(1)公共図書館サービスの費用便益分析、および、(2)電子媒体での読みと紙媒体での読みの比較実験という二つの研究を行った。費用便益分析では、仮想評価法(CVM)とトラベルコスト法を用いて図書館サービスの便益を推計し、両者の比較を行った。また、電子媒体と紙媒体の読みの違いを明らかにするために、校正作業における読みの実験を行い、誤り発見の精度と再現率において、紙媒体での読みが優れていることが明らかになった。
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