同志社大学文化情報学部蔵『百人一首かるた』(歌意絵入り)を対象として、影印と電子テキストとを結んだデータベースの設計を検討し、深川大路氏との共同研究により、TIRAMiS" Toolbox for Image Resource Annotation ManagIng System(ティラミス) "を開発した。その成果の一部は、文化情報学部の演習系授業(ジョイント・リサーチⅠ:教養としての『遊び』―カードゲームと歌謡の歴史―)(深川氏との共同指導)にも用い、また、同志社大学リエゾンオフィス主催のリエゾンフェアにも参加した。また、学部授業における文化系コンテンツと情報科学との連携については、授業実践例として、3編の授業報告を掲載した。 総合データベースのコンテンツとなる平安朝文学の研究としては、『古今和歌六帖』と『歌枕名寄』との関わりについて、和歌文学会大会で研究発表を行った他、その一部は研究論文としても公表した。また、『古今和歌六帖』所収出典未詳歌注釈稿を2回にわたり発表するとともに、文化情報学部蔵無名歌集(仮称『いろは和歌集』)については、翻字と解題を『文化情報学』に1回掲載した。筑紫平安文学会の活動としては、〈好忠百首〉の前半約50首の表現・解釈を再検討し、また、千種香の会では、『源氏千種香』の資料紹介を3回にわたり連載(矢野環氏、岩坪健氏との共著)、『香道籬之菊』所載組香の実習も継続して行った。
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