研究課題/領域番号 |
25330404
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 長崎総合科学大学 |
研究代表者 |
横山 正人 長崎総合科学大学, 環境・建築学部, 教授 (80167725)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 地域情報化 / 条件不利益地域 / 住民参加 / 情報化政策 / 離島地域 / 中山間地域 |
研究概要 |
本研究は、条件不利益地域の代表ともいえる、九州地域の離島並びに中山間地域を研究フィールドとして、地域情報化によるまちづくりの在り方について政策的かつ実証的観点から総合的に探究し、住民参加を促す地域情報化モデルの構築を目的としている。研究初年度は、まず新たに調査研究フィールドに加えた長崎県五島市、並びに平戸市において、当該地域の地方自治体、並びに地域住民に対する実態調査、意識調査を目的としたアンケート調査、並びにヒアリング調査を実施し、地域情報化を推進する上で、どのような諸問題が内在し推進の障害となっているのか、また、どのような方向性が期待できるのかなど、住民参加型地域情報化の視点から現状分析、並びに各方面からの問題点の抽出等を行い、今後の方向性について探求し、五島市地域情報化計画並びに平戸市地域情報化推進指針として取り纏めた。 また、従前より調査研究フィールドとして取り組んできた長崎県壱岐市においては、住民参加を促す仕組みづくりや人材育成手法の確立に向けた実証的解明を図るため、自治体と連携しながら地域住民の情報化意識啓発活動を兼ねた「情報発信塾」を開設するほか、若手住民を対象としたタウンミーティングの開催を試みた。加えて、熊本県湯前町では地域情報化の視点から町が主催する6次産業化プロジェクトへ参画する他、鹿児島県肝付町、並びに宮崎県西米良村においても、情報化シンポジウムや具体的な住民参加事業に参画し、住民参加の可能性について地域住民と協働しながらその在り方を探ってきた。これらの実践的調査研究活動の結果、高齢化が急速に進行しつつある条件不利益地域においても、その地域の特性を考慮した仕組みづくりや人材育成手法を最適化することにより、十分住民参加を促す地域情報化の可能性を見出すことができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
新たに調査研究フィールドに加えた長崎県五島市、並びに平戸市においては、実態調査等により現状把握がほぼ完了し、今後の地域情報化の方向性についても計画書として取り纏めることができた。 また、従前より調査研究フィールド地域として取り組んできた地域においては、地方自治体並びに地域住民と協働の立場をとりながら、住民参加を促す仕組みづくりや人材育成手法の確立に向けた取り組み(タウンミーティング、情報化シンポジウム、情報発信塾など)を具体的に実践し、今後の調査研究の方向性をある程度見出すことができた。 以上の観点から、本調査研究の目標は、概ね順調に進展していると考える。
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今後の研究の推進方策 |
平成26年度は、本研究の調査研究対象地域の内、平戸市、壱岐市、湯前町を具体的な実証研究フィールドに絞り込み、前年度の基礎調査を踏まえ、地方自治体並びに地域住民、外部人材と協働の立場を取りながら、住民参加を促す仕組みづくり、並びに組織体制のあり方、住民参加を促す人材育成手法の確立に向けて具体的事業を展開しながら、高齢化地域に適合した地域情報化推進モデルの方向性を探求していく予定である。このため、地域住民とのタウンミーティングの開催や昨年度から開始した「情報発信塾」の試みなどを定期的に実施して行く予定である。 また、調査研究フィールドに想定しているその他の地域の内、五島市、西米良村については、住民参加による地域情報化推進の基礎ベースが十分確立されていない。このため、地方自治体の協力を得ながら、地域住民とのコミュニケーション機会の拡大を図りながら、具体的事業が展開できる道筋を見つけていきたい。
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次年度の研究費の使用計画 |
調査研究フィールドにおける移動手段としてレンタカーを利用する予定で、「その他」の予算項目にレンタカー借用料を予算化していたが、自家用車を利用した調査が実質的に多くなり、不要となった。このため、レンタカー借用料として予算化していた10万円ほどが残る結果となった。 平成26年度の研究計画では、実証研究として調査研究フィールドに出向く機会が増大する予定である。平成26年度の研究予算では、そのための国内旅費(旅費交通費)が不足することが予想され、その補填に活用したいと考えている。
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