研究課題/領域番号 |
25330406
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 電気通信大学 |
研究代表者 |
内田 雅文 電気通信大学, 情報理工学(系)研究科, 准教授 (00245341)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 身体誘導 / 触覚ディスプレイ |
研究概要 |
既存の旧実験システム(触刺激素子駆動システム+脳波・筋電位計測システム+皮膚温計測システム+動態計測システム+重心動揺検査システム+加速度センサシステム)をベースに、ハイスピードカメラシステムを新たに導入した拡張実験システムを構築し、生体反応に基づく触覚仮現運動の認知評価手法を全身対応へ拡張した。旧実験システムでは、生理計測および動態計測から計測系が構成されていたが、生理計測系に比して動態計測系のサンプリングレートが極端に低く、生理反応とそれに対応する身体動態との単純な比較が叶わなかったが、ハイスピードカメラシステムの導入により、生理反応と身体動揺との時間軸上における比較・照合を可能にし、結果として触覚仮現運動に伴う身体動揺の発現機序に関する検討を可能にした。また、ユーザの心身の状態は、心理指標、生理指標、および行動指標から総合的に評価されるべきものである。旧実験システムでは生理指標として中枢神経系、および末梢の骨格筋活動を捕捉していたが、本研究課題では触刺激入力から身体動揺応答までをモデル化し、その先に身体動揺の制御系構築がある訳であるから、その遂行するに当たってはユーザの意識・注意の向き様を含む心身の状態評価には従来以上の厳密さが求められる。系統の異なる多くの指標を参照し、それらを実時間で計測・評価することが肝要である。新たに導入するハイスピードカメラシステムは行動指標の面から心身の状態を実時間計測し、中枢系や末梢系の挙動と共に同一時間軸上で比較・照合され、触覚仮現運動の認知評価に利用されるほか、身体動揺を誘発させるタイミングを計る基礎データになる。さらに心身の状態評価は継続的に提示される触刺激に起因したストレス、および長時間の拘束が伴う計測実験のストレス指標にもなることから、実験環境の統制や本研究の実用化段階における装置の検証にも利用される。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
実験システムの計測部(拡張実験システム)は構築が完了し、当初の計画は達成されたため。実験システムとして残すところは、触刺激提示部であり、開発を目指している触刺激素子20数個からなる触刺激提示装置は、現在までに8素子でその動作確認を終え、H26年度中には24素子にまで拡張できる。
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今後の研究の推進方策 |
触刺激提示部であり、開発を目指している触刺激素子20数個からなる触刺激提示装置は、現在までに8素子でその動作確認を終え、近々に16素子へ拡張、さらにH26年度中には24素子にまで拡張、5×5の触刺激ホルダを製作して、5×5マトリックス上に表現される触刺激の時間的・空間的パターンと、誘発される身体動揺との関連性の調査を開始する。具体的には、触刺激の時間的・空間的パターンと、拡張実験システムにより計測される生体反応とを照合し、特徴抽出を行う。その結果を踏まえ、抽出された特徴成分の中から優位に身体動揺を誘発する触刺激の制御パラメータを特定する計画である。
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次年度の研究費の使用計画 |
成果発表を計画していた国際会議の開催が次年度早々の開催となったため。 国際会議参加費に充てる計画である。
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