研究課題/領域番号 |
25330413
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研究機関 | 関西福祉大学 |
研究代表者 |
前川 泰子 関西福祉大学, 看護学部, 准教授 (60353033)
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研究分担者 |
山本 美輪 鳥取大学, 医学部, 教授 (70353034)
中島 智晴 大阪府立大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (20326276)
櫻庭 繁 京都光華女子大学, 健康科学部, 教授 (20114283)
中村 正子 京都光華女子大学, 健康科学部, 助教 (50587508) [辞退]
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 学習支援システム / 認知症ケア教育 / シリアスゲーム / 看護 / 計算知能システム |
研究実績の概要 |
我が国の高齢社会では,認知症や要介護の高齢者の増加に伴う看護職やケアスタッフの質,および量の担保が喫緊の課題である.認知症状は病態により周辺症状の出現がそれぞれ異なり,その対応(ケア)次第で認知症の経過に大きな影響を及ぼす.認知症の周辺症状への対応を誤ると,認知症高齢者は暴力的になるなど症状が悪化するだけでなく,ケア提供者もその対応に悩み離職するケースも少なくない.そこで,様々な認知症の周辺症状への適切な対応(ケア)を事前に『シミュレーションで経験できる認知症ケア学習支援ツール』としてシリアスゲーム の開発を行った.シリアスゲームの構成として,ストーリー展開だけでなく,ゲームストーリーに対応した知識に対する解説,専門用語索引およびその意味,知識確認問題とそれらに対する解答・解説を内容に含め,改良追加を行った.また使用環境として,PC(Windouws)とタブレット(Android)で使用できるように改良した. 開発したシリアスゲームを臨床看護師,看護学生に使用してもらい,追加修正を行った後,さらに看護学生に関して,従来の教科書を用いて学習した学生との知識問題,使用状況などの違いを比較,また学年別の比較など実験を行った. それらの結果を踏まえ,ゲーム構成の改良に加えて,レビー小体型認知症,前頭側頭型認知症の特徴的な症状について,他疾患との違いの見極めや介護者による早期発見の必要性など,困難事例報告をもとに場面(シーン)の追加を行っている.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
認知症ケア教育用シリアスゲームを開発し,PC(Windouws),タブレット(Android)にて使用できるように改良した.コンテンツは,主にアルツハイマー型認知症のケア方法について状況設定シナリオを作成した.シリアスゲームの構成として,ストーリー展開だけでなく,ゲームストーリーに対応した知識に対する解説,専門用語索引およびその意味,知識確認問題とそれらに対する解答・解説を内容に含めている.試作した認知症ケア教育のためのシリアスゲームソフトを臨床看護師,看護学生へテスト使用した後,追加修正を行い,さらに看護学生に関しては,従来の教科書を用いて学習した学生と知識問題,使用状況などの違いを比較,学年別(3年次・4年次)の比較など実験を行った. それらの結果から改良点,様々な症状に関する場面数の追加などの必要性を検討しているが,研究代表者,分担者の業務多忙により,改良途中であるため,期間延長の申請を行っている.
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今後の研究の推進方策 |
主にアルツハイマー型認知症の主な症状を軸に作成してきたが,認知症のBPSDには,徘徊,異食,攻撃行動など多種多様の症状に対する看護(介護)とさらにそのような対象者を支える家族などへの対応(ケア)も必要なことがわかっている.またレビー小体型認知症,前頭側頭型認知症の特徴的な症状について,他疾患との違いの見極めや介護者による早期発見の必要性など,現場での困難事例報告をもとに場面(シーン)を検討し,コンテンツに加えていく予定である.
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次年度使用額が生じた理由 |
認知症のBPSDには,徘徊,異食,攻撃行動など多種多様な症状に対する看護(介護)に加えて,そのような対象者を支える家族などへの対応も必要なこと,またレビー小体型認知症,前頭側頭型認知症の特徴的な症状について,他疾患との違いの見極めや介護者による早期発見の必要性など,現場での困難事例をもとに場面(シーン)をさらに検討し,コンテンツに加えていく必要性があるが,研究代表者,分担者の業務多忙により,改良途中となっているため.
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次年度使用額の使用計画 |
認知症のBPSD(徘徊,異食,攻撃行動など)の多種多様な症状に対する看護(介護),認知症患者を支える家族などへの対応,またレビー小体型認知症,前頭側頭型認知症の特徴的な症状についての対応など,現場での困難事例の調査,資料取集(旅費,通信費,雑費),およびシステム改良に必要な人件費,成果発表(学会参加費など)の為に使用する.
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