知的学習支援システムは学習者の習熟度診断ができなければ単なる練習帳である.そこで,多くの知的学習支援システムは,大量の問題を学習者に解いてもらうことで得られる問題の難易度と学習者の正解率を用いて習熟度診断を行う方法をとっている.しかし,この方法は費用対効果の面で優れていないばかりでなく,教授者が作成した問題に対する学習者の習熟度診断もできないという欠点を持っている. そこで本研究では,教授者の知識構造マップと一点判定法による相対距離を用いることで,学習者の知識構造を推測する方法を確立し,費用対効果に優れた習熟度診断を組み込んだ知的学習支援システムを構築し,スマホやタブレットでも利用できるようにすることを目的とする. webブラウザ上で動作することを目指して,知的学習支援システムの開発を行い,担当している授業の受講生の中から学生アルバイト20名を採用して,その性能を評価する.後期にも学生アルバイト20名を採用する.その方法として,学生アルバイトを4つのグループに分ける. 1つはPC教室でPCを利用して知的学習支援システムで学習するグループ.1つはスマートフォンを利用して知的学習支援システムで学習するグループ.1つはタブレットを利用して知的学習支援システムで学習するグループ.1つはiPadを利用して開発中の知的学習支援システムで学習するグループとする。. この4つのグループの学習者の知的学習支援システムによる習熟度診断とペーパテストによる習熟度診断を比較し,グループごとの因子分析を行い,グループで偏りがあるかを知らべる.もし,偏りがあるようならば,ブラウザの表示の仕方に変化を付けることで,偏りの解消が可能か調べる.
|