• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2013 年度 実施状況報告書

eラーニングでのビッグデータに適応可能な学習支援システムの開発

研究課題

研究課題/領域番号 25330419
研究種目

基盤研究(C)

研究機関日本女子大学

研究代表者

小川 賀代  日本女子大学, 理学部, 准教授 (20318794)

研究分担者 ハルトノ ピトヨ  中京大学, 工学部, 教授 (90339747)
研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2016-03-31
キーワードeラーニング / learning analytics / ログ解析 / LMS
研究概要

高等教育機関を中心にLMS が普及し、学習履歴データがサーバー上に蓄積され、ビッグデータになりつつある。これらの情報を解析することで、学習活動の改善、達成度の評価、将来的な能力の予測などに活用する期待が高まっている。本研究では、e ラーニングにおいて蓄積された膨大な情報から、個人の学習傾向を抽出し、個人に適した学習支援につなげることを目指している。
本研究において、個人の学習傾向を抽出するための解析手法を提案してきた。本手法は、1.学習パターンの分類(クラスタリング)と2.分類結果を理解するための可視化の部分から構成されている。これまでに、72人のデータにおいてのみ、本手法の有効性を確認してきたが、異なるコンテンツから取得した学習履歴データ及び数百人から数千人規模のデータに対する検証は行われていない。よって、今年度は、本手法の有効性を確認するために、企業から提供してもらった238人、2679人の学習履歴データについても適切な学習傾向の抽出が可能であるか検証を行った。その結果、いずれも提案手法によってクラスタ数がシステマティックに決定でき、このクラスタ数に基づく可視化においても、各クラスタの特徴の解釈に用いるレーダチャートの結果も明確に分類され、個人の位置関係を示す自己組織化マップ(SOM)の結果もクラスタ毎にまとまって分布していることから、クラスタ分析結果の妥当性を示すことができ、本手法が有効であることを確認できた。また、eポートフォリオ蓄積データについても適切な分類ができるか本手法を適応し、有効性の確認を行った。更に、クラスタ数決定においては、3つの異なる指標の結果を統合して1つのクラスタ数を示す自動決定プログラムの開発も行った。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

今年度目標としていた数百人規模のデータにおいての提案解析手法の有効性の検証は、238人、2679人のデータを用いて行うことができ、有効な結果が得られていることから、おおむね順調に進展していると言える。

今後の研究の推進方策

前年度に確立した学習傾向を抽出するための解析手法による結果を用い、学習結果や行動の予測を行う手法の検討を行う。その際、必要なログデータの項目、粒度についても検討を行っていく。
これまで、現在の学生だけで、学習傾向と成績の関係を解析してきたが、データ数が少ないために特徴的な傾向が掴めないでいた。今後の研究では、数百人から数千人規模のLMS から取得した学習履歴データを用いて学習傾向と結果の予測に取り組む。現在、個々人の位置関係を把握するために自己組織化マップ(SOM)を用いている。SOMは、データの一部を用いてマッピングすることも可能であるため、途中過程のデータを既に履修し終わった人のデータの上にマッピングすることができる。よって、個々人の学習経過を可視化することで、予測の検証を試みる。また、SOMを改良することで、成績の結果を含めた学習傾向の分類を行い、学習結果や行動の予測に繋がる開発も行っていく。

次年度の研究費の使用計画

当初、当該年度に論文の別刷り代として支払う予定でしたが、掲載が遅くなり、別刷り代の支払いが次年度になってしまいました。
掲載が次年度になってしまった論文の別刷り代として使用致します。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2014 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (5件) (うち招待講演 2件)

  • [雑誌論文] 学習履歴データを活用した学習者の特性抽出手法の検討2014

    • 著者名/発表者名
      石川晶子,小川賀代,ピトヨ ハルトノ
    • 雑誌名

      教育システム情報学会誌

      巻: 31 ページ: 185-196

    • 査読あり
  • [学会発表] eポートフォリオによるキャリア支援

    • 著者名/発表者名
      小川賀代
    • 学会等名
      第4回Maharaオープンフォーラム(MOF)2013
    • 発表場所
      東京学芸大学 (小金井キャンパス)
    • 招待講演
  • [学会発表] 学習履歴データを活用した学習傾向の把握と可視化の検討

    • 著者名/発表者名
      小川賀代 ,田中友里,Hartono Pitoyo
    • 学会等名
      日本教育工学会 第29回全国大会
    • 発表場所
      秋田大学(手形キャンパス)
  • [学会発表] eラーニングシステムを利用した学習履歴データの分析:その特徴とこれからの課題

    • 著者名/発表者名
      小川賀代
    • 学会等名
      ISSI2013 セッション7「データ中心教育イノベーション」
    • 発表場所
      国立情報学研究所
    • 招待講演
  • [学会発表] クラスター分析を用いた学習特徴の抽出

    • 著者名/発表者名
      田中友里,小川賀代, Hartono Pitoyo
    • 学会等名
      電子情報通信学会 東京支部 学生会 研究発表会
    • 発表場所
      東海大学(高輪キャンパス)
  • [学会発表] LMSの蓄積データを用いたLearning Analytics

    • 著者名/発表者名
      小川賀代
    • 学会等名
      大学教育研究フォーラム
    • 発表場所
      京都大学

URL: 

公開日: 2015-05-28  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi