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2014 年度 実施状況報告書

大学生のレポート作成における情報リテラシー:剽窃行為の把握と対策

研究課題

研究課題/領域番号 25330421
研究機関愛知医科大学

研究代表者

宮本 淳  愛知医科大学, 医学部, 准教授 (40340301)

研究分担者 久留 友紀子  愛知医科大学, 医学部, 准教授 (00465543)
仙石 昌也  愛知医科大学, 医学部, 准教授 (40257689)
山森 孝彦  愛知医科大学, 医学部, 教授 (70387819)
橋本 貴宏  愛知医科大学, 医学部, 准教授 (60291499)
研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2016-03-31
キーワード情報リテラシー / 剽窃行為 / コピペ / 学習管理システム / Googleドキュメント / レポート / 作業履歴
研究実績の概要

大学生がレポートを作成する際にWeb上に存在する様々なコンテンツを検索し,その中から文章をコピー&ペーストし,それをあたかも自分の意見であるかのようにしてしまう,いわゆる「コピペ問題」と呼ばれる現象が社会的問題として取り上げられる時代になってきている。本研究は,このようなレポート作成における剽窃行為とその対策という課題を扱っている。
レポート作成における剽窃行為を分析するためには提出された学生のレポートというプロダクトだけではなくて,レポート作成プロセスにも着目する必要があるという着想からクラウドを用いたレポート課題を分析対象としていることが本研究の特色と言える。
具体的には,医学部初年次チュートリアル教育においてGoogleドキュメントを用いたレポート課題を課し,そのレポートファイルから取得した作業履歴を辿ることで剽窃行為を中心にレポートの作業過程の分析を続けている。
平成25年度の研究では,直前の履歴からの文字数の大幅な増加及び随伴する不自然さによって剽窃行為はある程度把握できることが明らかになった。平成25年度の研究で分析したレポートはA4用紙1枚程度と分量も少なく,予め用意されたフォーマットを参考にして作られたディベートの準備レポートであった。平成26年度の研究では,分量や自由度が増した,大学生としてより実際的なレポートについて作成過程を作業履歴からコピペを中心に分析した.その結果,図表を入れた大学生の一般的なレポートに近いものでも,履歴を辿ることで,学生がレポートをどのようなプロセスで書き進めているかを視覚的に概観することができた.また,同一レポートにプロセス分析と剽窃チェックソフトによるプロダクト分析を行った結果,これらの分析を組み合わせることでコピペ剽窃にはかなりアプローチできそうであることが明らかになった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

平成26年度の研究実施計画としては,レポート課題から履歴を取得するためのクラウド環境整備やモデルケースの検討段階であった平成25年度の研究から得られた成果をもとに,分量や自由度が増した大学生としてより実際的なレポートについて,その作成過程を作業履歴から分析することを考えていた。
研究実績の概要でも延べたように,平成26年度の研究では,図表も含めた大学生の一般的なレポートに近いものを分析対象として,レポート作成プロセスの質的分析及び量的分析を行うことができた。併せて,同一レポートにプロセス分析と剽窃チェックソフトによるプロダクト分析を行う研究も実施できた。
平成25年度に整えた環境及びモデルケースの検討といった準備から,質的・量的研究に繋げられたことは平成26年度の研究としては予定通りであり,おおむね順調に進展しているものと考えられる。

今後の研究の推進方策

平成25年度,26年度に得られた結果からプロセス分析とプロダクト分析を組み合わせることでコピペ剽窃にはかなりアプローチできそうであることが明らかになった。今後の研究の推進方策としては,平成26年度とは異なる内容・形式におけるレポート分析と剽窃への対策について考えている。前者については学生の剽窃の仕方や情報リテラシーの問題はレポートの種類や内容に依るところが大きい。平成26年度とは異なる内容・形式で提出されたレポートについても量的・質的分析を行い学生の剽窃の仕方について検討を続けていく予定である。後者については学生のレポートから剽窃行為を減らすこと,及び単に減らすだけでなく,レポート作成を通して情報リテラシーを育成し得ることを目的とした教育プログラムを作成・実践し,その効果について,これまでの分析方法を用いてそれぞれ測定することを考えている。

次年度使用額が生じた理由

次年度使用額が生じた理由としては,平成26年度の研究でデータ分析のための物品を新たに購入せずともに分析を行うことができた。これは分析データがまだ少なく,共同研究者が持っていた既存の環境で分析を行うことができたためである。研究としての進捗状況が遅れているということではない。平成27年度の研究では,データ分析の機会が増えることが予想されるため,未使用額についてはデータを分析する環境を増やすために必要な物品の費用に充てる予定である。

次年度使用額の使用計画

上述の通り,平成27年度はデータを分析するための環境を拡充するためのパソコン周辺機器・ソフトが必要である。未使用額はデータ分析のための物品として,パソコン周辺機器30,000円,統計解析用ソフト(SPSS Ststistics)ライセンス:95,000円の購入費用に充てる予定である。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2015 2014

すべて 雑誌論文 (2件) (うち謝辞記載あり 1件、 査読あり 1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] プロダクトとプロセスからみた剽窃の分析2015

    • 著者名/発表者名
      宮本淳,仙石昌也,山森孝彦,久留友紀子,橋本貴宏
    • 雑誌名

      日本教育工学会研究報告集

      巻: 15(1) ページ: 21-26

    • 謝辞記載あり
  • [雑誌論文] 協働作業における学生のクラウドサービスの活用2014

    • 著者名/発表者名
      仙石昌也,宮本淳,山森孝彦,久留友紀子,橋本貴宏
    • 雑誌名

      愛知医科大学基礎科学紀要

      巻: 41 ページ: 1-6

    • 査読あり
  • [学会発表] プロダクトとプロセスからみた剽窃の分析 (学習支援環境とデータ分析/一般)2015

    • 著者名/発表者名
      宮本淳,仙石昌也,山森孝彦,久留友紀子,橋本貴宏
    • 学会等名
      日本教育工学会
    • 発表場所
      九州大学
    • 年月日
      2015-02-27 – 2015-02-28
  • [学会発表] Googleドキュメントを利用したレポート作成過程の分析2014

    • 著者名/発表者名
      宮本淳,仙石昌也,山森孝彦,久留友紀子,橋本貴宏
    • 学会等名
      日本教育工学会
    • 発表場所
      岐阜大学
    • 年月日
      2014-09-20 – 2014-09-20

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公開日: 2016-05-27  

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