研究課題/領域番号 |
25330427
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研究機関 | 神戸学院大学 |
研究代表者 |
柴田 淳子 神戸学院大学, 経済学部, 准教授 (80411867)
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研究分担者 |
奥原 浩之 大阪大学, 情報科学研究科, 准教授 (40284161) [辞退]
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研究期間 (年度) |
2014-02-01 – 2017-03-31
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キーワード | モチベーションの向上 / 学生の理解度 / インセンティブ設計支援システム |
研究実績の概要 |
本年度は,学生主体の満足度の向上のために,授業に関する自由記述データを用いたテキストマイニングによる定量的な評価分析を行った.学生の意見を共起ネットワークによって可視化することで,共起の程度が強い知識発見が可能となった.「復習すると理解でき る」,「数学は苦手だが問題を解くと理解できる」等にみられるポジティブな知識は,学生のモチベーションを促進させる要因である.反対に,「スピードが速い」,「途中式や問の解説がほしい」等のネガティブな知識は,それを阻害させる要因であると考えられる .さらに,自由記述データにこれらの知識を含む学生の小テストや期末テストの結果を考察することにより,学生の学習行動に対する講義内容要因の及ぼす影響を明らかにすることができる.「スピードが速い」に対しては,学生がある程度スピードが速いと感じるこ とで,復習の必要性を感じ,学習意欲が刺激されるとことと,スピードの低下は理解度の高い学生の学習意欲を低下させる危険性があることの両面から議論する必要がある.「途中式や問の解説がほしい」に対しては,学生が高校の時に基本的な数式の展開について十 分に勉強できていないことが考えられるため,それを補う資料を用意する必要があることと,質問しやすい雰囲気づくりを試みることが対策として考えられる. WEBベースのインセンティブ設計支援システムの開発においては,現在,作成中である.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究では,教員が学生に一方的に知識を与えるような大学講義の講義スタイルに対して,受講生の理解度や満足度の情報を考慮し,学生のやる気を引き出す授業の講義内容のフレームワークの実現を目指している.これまでに,アンケート調査を用いて学生の学習行動と満足度の観点から分析を行い,現在は,これまでに得られた知見に基づいた数理モデルの設計と支援システム開発のためのアルゴリズム作成を行っている.
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今後の研究の推進方策 |
今後は,ゲーム理論をベースとする数理モデルの有効性について検討・評価し,国内外の学術雑誌ならびに学会において発表する予定である.また,教員と学生の双方にとってモチベーション向上に結び付いているのかどうかについて議論する. これに並行して,今年度は新たに加わる分担者(毛利)と協力し,プロトタイプのシステム開発を早急に行い,運用および改善を順次行う予定である.
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次年度使用額が生じた理由 |
WEBベースのインセンティブ設計支援システムの開発が大幅に遅れているため
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次年度使用額の使用計画 |
期間内にシステムを完成させるため,今年度は新たに加わる分担者(毛利)にプログラムの作成とその運用を協力してもらう.
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