研究課題/領域番号 |
25330431
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研究機関 | 高知工業高等専門学校 |
研究代表者 |
芝 治也 高知工業高等専門学校, 電気情報工学科, 教授 (20270366)
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研究分担者 |
山口 巧 高知工業高等専門学校, 電気情報工学科, 教授 (30230361)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 編集可能な電子教科書 / 授業改善 / 自己学習支援 / 教育支援システム |
研究実績の概要 |
平成25年度までに試作した電子教科書縮小加工による教育・学習システム(以下,学材システムと呼ぶ)の画面操作メニューの操作性を改善するために複数のプロトタイプを作り検討した。その結果,画面上部に固定する形式と必要な時にマウスポインタ周辺にメニューを表示するフローティングメニューの二種類を併用して継続検討することにした。 工業高等専門学校電気情報工学科二年生の50分間授業で学材システムを使った授業を実践した。iPad miniを情報端末としてクラスの半分の学生に貸与,残りの半分の学生は紙のノートを利用して授業を受けた。電子教科書をプロジェクタで投影しながら教員が内容解説,約30分間の授業後に10分間の理解度確認のための小テストを行った。t検定により学材システムを使用したグループと従来型の紙のノートを利用したグループの小テストの平均値を比較した結果,両グループの平均値に有意の差はなかった。 授業実践後に全受講生に対して行ったアンケート調査では,学材システム利用経験の有無によらず学材システムが目指している教育・学習手法に対する期待が多いこと,現在の学材システムには操作の点で改善すべき部分があること,iPad miniの操作そのものに慣れていなかったため操作に戸惑ったなどの意見があった。 平成27年度は,授業実践を継続すること,自己学習機能についても試験を行うこと,操作性をより高めることが課題となる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究で開発する学材システムのプロトタイプが完成し,授業を実践することができた。この成果は,研究分担者や研究協力者である指導学生と連名で報告し,国際会議で発表一件,国内学会発表一件の発表を行った。 しかしながら平成26年度には実践授業を一度しか行えず,教育成果を評価する十分なデータを得ていないため年度計画を完遂するには至っていない。 これらを総合的に考慮して概ね順調に進展していると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
平成26年度までに開発してきた学材システムの使い勝手を向上させることを主として改修を行う。工学専門科目での授業実践を重ね教育成果を検討すると共に,国語など工学専門科目以外の科目での授業実践を行い,学習分野に対する学材システムの効果について検討していく。
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次年度使用額が生じた理由 |
情報機器購入の際に業者による見積もりから,実際の購入までの間に為替レート変動等により納入価格が変わったため。
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次年度使用額の使用計画 |
今回生じた次年度使用額は少額のため,平成27年度の助成金使用計画に特段の変更は行わない。
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