全身筋電計の試作のため小型マイコンボードと筋電センサを用いた計測テストを行った。小型マイコンボードはAruduinoとRasberryPiの二種について検討を行い、将来的な小型化や入力端子数により、Aruduinoを採用することとした。筋電計回路については、周波数特性やノイズに関する計測分析を行った。精度確保のため筋電電極には市販の伝導ジェル付きの電極を使用した。微弱な筋電位を増幅回路に通し、ArduinoによってA/D変換し、コンピュータに送信、記録を行った。Arduinoを用いて複数の筋電位計測について計測データの検証を行った。 筋肉の緊張と緩和時における形状変化計測に関しては、三次元スキャナによる大腿部の計測を行い、緊張時と緩和時の形状の変位量について分析を行った。ここで用いたスキャナは計測時間が10秒以上かかるため、運動の計測には不向きであり、スキャナの構造上計測時の被験者の姿勢に制限があるため、研究計画に記載したプロジェクタによる縞パターンをカメラでとらえる画像処理ベースの計測法に取り組んだ。画像処理ベースの計測法では、数秒以内に計測が完了することが可能で、プロジェクタやカメラを可動させる必要がないため被験者の周囲に行動制限域がなく、自由な体制で計測を行うことが可能である。この画像処理ベースの計測法について、プロジェクタの映像投影間隔や、カメラの撮影時間の制御などをプログラムでコントロールすることにより、計測時間の短縮と、計測精度の向上に向けた取り組みを行った。
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