研究課題
基盤研究(C)
雲や大気中に浮遊するエアロゾル粒子の気候影響は、時間的にも空間的にも変動が大きく、日射や降雨・降雪な どにまで影響を及ぼす。本観測領域である富山湾は、アジア大陸の風下にあるため、大気汚染物質や黄砂粒子の 影響を直接受ける地域である。それら直接受けやすい富山、立山、珠洲等の観測から、この領域による雲とエア ロゾルの光学的特性の時空間変動の把握を行う。その結果を地球観測衛星や数値モデルの地上検証に必要な時間 ・空間代表性のあるデータなのか、それらの問題点を検証し、その解決策を提案することを目的とする。本研究 は、高低差3000m、水平方向100km の富山湾を中心とした研究領域において、時間・空間代表性が気候影響の評 価のどこに誤差を与えるか以下の研究を行う。1)雲・エアロゾルの光学的特性の時空間変動の実態把握、2) 地球観測衛星や数値モデルの地上検証に必要な時間・空間代表性の問題とその解決である。平成25年度の研究実施は、富山、立山、珠洲における雲・エアロゾルの光学的特性の時空間変動の実態把握 とスカイラジオメーターによる継続観測を行った。具体的には、雲・エアロゾルの光学的特性の観測は、スカイラ ジオメーター観測網により、それらの継続観測を行い解析を行った。本研究では、3次元的に時間・空間変動の観測が出来る富山、立山、珠洲の3 地点に着目して、大気放射観測等の連続測定から大気汚染物質の高度差測定と季節変化について研究を進める。
2: おおむね順調に進展している
現在までの達成度は、富山、立山、珠洲における雲・エアロゾルの光学的特性の時空間変動の実態把握 とスカイラジオメーターによる継続観測を行った。雲・エアロゾルの光学的特性の観測は、スカイラ ジオメーター観測網により、それらの継続観測を行い解析及び再解析を行った。自然環境及び測器の不調のため、山岳域でのデータはあまり取得することが出来なかったが、予想の範囲内である。本研究は、3次元的に時間・空間変動の観測が出来る富山、立山、珠洲の3 地点において、大気放射観測等の連続測定から大気汚染物質の高度差測定と季節変化について示し、今まで得られた観測データを用い、雲・エアロゾルの光学的特性の解析は出来た。そららの成果について学会・論文等で報告した。
地球観測衛星や数値モデルの地上検証に必要な時間・空間代表性の問題とその解決は、精度向上も含め、重要な点である。地上観測は、地球観測衛星や数値モデルに比べると、時間分解能やデータ精度が高く定量的 なデータを得ることができる。特に、地表付近と高標高地域では、エアロゾルの光学的厚さが 1桁近く違うため、検証を行うにも精度が要求される。本観測領域である富山湾は、人為起源 の大気汚染物質や自然起源の黄砂粒子の影響を直接受ける地域なため、この太陽光を利用した 大気放射観測から、雲やエアロゾルの光学的特性の気候影響解明の研究を行うのは有効的であるため、引き続き、推進していく。また、本研究の推進が、次世代観測ネットワークの新しいアイディアにつながっていくと考えているため、さらに研究推進を行っていく。
残額が少額だったため、次年度に繰り越しした。残額が小さいため、消耗費などで使用する予定。
すべて 2014 2013 その他
すべて 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 5件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (14件) (うち招待講演 3件) 備考 (3件)
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http://skyrad.sci.u-toyama.ac.jp/Aoki_lab/
http://skyrad.sci.u-toyama.ac.jp/Tateyama/
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