研究課題/領域番号 |
25340005
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研究機関 | 富山大学 |
研究代表者 |
青木 一真 富山大学, 大学院理工学研究部(理学), 教授 (90345546)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 物質循環 / 大気エアロゾル / 気候変動 / 環境変動 / 地球観測衛星 |
研究実績の概要 |
雲や大気中に浮遊する微粒子であるエアロゾル粒子の気候影響は、時間的にも空間的にも変動が大きく、日射や降雨・降雪などにまで影響を及ぼす。本観測的研究領域である富山湾は、アジア大陸の風下にあるため、長距離輸送による大気汚染物質や黄砂粒子の 影響を直接受ける地域である。それら直接受けやすい富山、立山、珠洲等の観測から、この領域における雲とエア ロゾルの光学的特性の時空間変動の把握を行うことである。それらの結果を地球観測衛星や数値モデルの地上検証に必要な時間・空間代表性のあるデータなのか、それらの問題点を検証し、その解決策を提案することを目的とする。本研究は、高低差3000m、水平方向100km の富山湾を中心とした研究領域において、時間・空間代表性が気候影響の評価のどこに誤差を与えるか以下の研究を行う。1) 雲・エアロゾルの光学的特性の時空間変動の実態把握、2) 地球観測衛星や数値モデルの地上検証に必要な時間・空間代表性の問題とその解決である。平成26年度の研究実施は、富山、珠洲および周辺領域(高山など)における雲・エアロゾルの光学的特性の時空間変動の実態把握 とスカイラジオメーターによる継続観測を行った。具体的には、雲・エアロゾルの光学的特性の観測は、スカイラジオメーター観測網により、それらの継続観測を行い解析を行った。本研究では、3次元的に時間・空間変動の観測が出来る富山、立山、珠洲の3 地点に着目して、大気放射観測等の連続測定から大気汚染物質の高度差測定と季節変化について研究を進めた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究の現在までの達成度は、富山、立山、珠洲および周辺領域における雲・エアロゾルの光学的特性の時空間変動の実態把握とスカイラジオメーターによる継続観測を行った。雲・エアロゾルの光学的特性の観測は、スカイラ ジオメーター観測網により、それらの継続観測を行い解析及び再解析を行った。自然環境及び測器の不調のため、山岳域でのデータはあまり取得することが出来なかったが、これらは予想の範囲内である。本研究は、3次元的に時間・空間変動の観測が出来る富山、立山、珠洲の3 地点において、大気放射観測等の連続測定から大気汚染物質の高度差測定と季節変化について示し、今まで得られた観測データを用い、雲・エアロゾルの光学的特性の解析は出来た。そららの成果について国内外の学会・論文等で報告した。また、他の観測ネットワーク(AERONET/NASA)との連携をさらに強化するための研究協力体制の整備も行い、この部分においては、当初の計画より進展している。
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今後の研究の推進方策 |
平成27年度は最終年度であるため、地球観測衛星や数値モデルの地上検証に必要な時間・空間代表性の問題とその解決方法について、精度向上も含め、まとめていく。本観測領域である富山湾は、人為起源 の大気汚染物質や自然起源の黄砂粒子の影響を直接受ける地域で、この太陽光を利用した 大気放射観測から、雲やエアロゾルの光学的特性の気候影響解明の研究を行うのは有効的であるため、それらの特徴をいかした研究を進め、次につながるものとしたい。特に、地上観測は、地球観測衛星や数値モデルに比べると、時間分解能やデータ精度が高く定量的 なデータを得ることができるため、検証を行う精度保証が、どのくらい必要かも含めて行っていく。また、本研究の推進が、次世代観測ネットワークの新しいアイディアにつながっていくと考えているため、さらに研究推進を行っていく。
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次年度使用額が生じた理由 |
次年度使用額が生じた理由は、残額が少額だったため。
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次年度使用額の使用計画 |
最終年度の使用額と合算して使用する。
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