研究課題/領域番号 |
25340009
|
研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
三瓶 真 広島大学, 生物圏科学研究科, 特任講師 (60643103)
|
研究分担者 |
山本 民次 広島大学, 生物圏科学研究科, 教授 (40240105)
服部 寛 東海大学, 生物学部, 教授 (60208543)
|
研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
|
キーワード | 生物ポンプ / 物質循環 / 北極圏海域 / プランクトン / 沈降粒子 |
研究実績の概要 |
初年度のアクシデント(直前に発生した、アムンゼン号搭載ヘリコプターの死亡事故)により実施できなかったカナダ沿岸警備隊所属砕氷研究船(アムンゼン号)を用いたフィールド調査を実行した。フィールド調査では、調査海域において沈降粒子採集装置であるセディメントトラップや音響式流速計であるADCPを中心とした係留系の設置およびプランクトン試料の採集を行った。また、採集したプランクトン試料を用いて船上飼育実験を行った。本年度は当初の目的通りのフィールド調査を行うことができた。また、研究室では昨年度に引き続き研究協力者から分与を受けた過年度に採集された試料の分析(粒状態物質乾燥重量、粒状態有機炭素・窒素含量)を行った。更に、これらの分析や昨年度に遂行された分析により得られたデータも、研究協力者から提供を受けた環境データ(流向・流速等)と共に解析中である。 昨年度および今年度の試料分析およびデータの解析から得られた研究成果の一部(動物プランクトン遺骸フラックスの鉛直変化やボーフォート海南東部における大陸棚域-)は、国際学会(Arctic Change 2014, Ottawa Canada)での研究発表、インパクトファクター(2.115)のついたピアレビュー国際学術誌(Continental Shelf Research誌)への投稿を行い結果の公表に努めた。更には、研究のアウトリーチ活動として、地元(東広島市)の幼稚園において園児や保護者および職員を対象とした講演を行い、幅広い世代に対して本研究課題を遂行する重要性や面白さについてアピールを行った。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度は、フィールド調査を無事に遂行することができて、試料の採集や船上飼育実験も成功した。しかし、前年度に係留系の設置が行うことができなかったため、セディメントトラップをはじめとする係留系からの試料およびデータの取得は来年度になる。そのため、研究協力者から以前に調査海域において採集されたセディメントトラップ試料の分与を受けて、その試料の分析やデータ解析を行った。 これらの結果の一部を用いて、国際学会における発表、査読付き学術雑誌への論文投稿および一般向け講演を行い、結果の公表を積極的に行った。
|
今後の研究の推進方策 |
来年度は、フィールドにおいて今年度に予定していた係留系の回収を行う。これに合わせて、さらなるプランクトン等の試料採集および飼育実験も行う。更に、実験室ではこれらの得られた試料の分析やデータ解析を行い、結果の公表(特に学術雑誌への論文投稿)の準備を行う。
|
次年度使用額が生じた理由 |
初年度のアクシデントのため、当初は予定外であったフィールドワークを来年度にも行うことになったため。
|
次年度使用額の使用計画 |
研究航海のための打合せおよび研究協力者と結果に対する議論を行うための海外旅費(日本ーカナダ往復)に使用する。
|