研究成果の概要 |
造礁サンゴの各部位(軟組織、褐虫藻、骨格)と生育環境である海水における微量金属元素濃度を誘導結合プラズマ質量分析法(ICP-MS)により多元素同時に測定し、各部位ごとの元素含有量の特徴を明らかにした。サンゴに共生する褐虫藻にはFe, Zn, Cdが海水に比べ100000以上と著しく高濃度であった。Fe, Cu, Zn, Cd, Pbを濃縮安定同位体でラベル化して添加した海水槽中でサンゴを飼育した結果、ZnとFeは海水から褐虫藻に24~48時間程度で摂取され、さらに軟体組織にも供給されていること、また、骨格にはZnとPbが蓄積され、軟体組織を経由して取り込まれたことが示唆された。
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