研究課題/領域番号 |
25340014
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 東京情報大学 |
研究代表者 |
PARK JongGeol 東京情報大学, 総合情報学部, 准教授 (40337770)
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研究分担者 |
朴 壽永 東京農業大学, その他部局等, その他 (10573165)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | メタン発生源 / SCIMACHY / EVI / GSMap / GOSAT |
研究概要 |
地球規模の気温上昇の原因として、人間活動による温室効果ガスの増加が挙げられる。人間活動による化石燃料の使用、森林の減少や都市化などにより大気中の温室効果ガス濃度の急激な増加が主な原因である。メタンの場合、長寿命温室効果ガス全体放射強制力の18%をしめる(IPCC, 2007)。また同報告書によると、大気中の滞留時間は約12年と推測されている。そのため、メタンは二酸化炭素に次ぐ地球温暖化の影響を持つ温室効果ガスとして重要である。従来のメタンの放出源(ソース)として動物の腸内発酵、自然の湿地及び水田などにおけるいろいろな種類の嫌気性微生物(空気が完全に又は部分的に存在しない状態で生存できる微生物)の活動、天然ガス採掘、バイオマス燃焼などが主であると思われた。 本研究では衛星データ(GOSATとSCIMACHY)を用いてメタン発生濃度を推定した結果、水田のみならず熱帯林で多くのメタンが発生していることがわかった。既存のメタン発生地域と大きく異なった結果が出た。そこで、熱帯林のメタンの発生原因を調べるために植生指数(MODIS/EVI)や降水量(GSMap)などのデータを用いて調べた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
インドネシアや中国で発生するメタンを現地で測定できず日本に持ち帰る必要があった。しかし、大気を容器に入れて日本に送った場合気体濃度の変化の恐れがあるため諦めた。そこで、現在現地の気象庁でメタン濃度を測定しデータを用いる方法を考えている。同時に熱帯雨林近くに気象観測所があればそのデータを送ってもらうことも調べている。
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今後の研究の推進方策 |
SCIMACHY衛星が2011年で運用停止しているため今後はGOSATデータを用いて解析する必要がある。しかし、SCIMACHYとGOSATはデータの処理過程が異なりそれぞれ大気のメタン濃度の推定方法も異なる。そこで、今後の研究はSCIMACHYとGOSATのデータ合わせを行う。 また、気象情報(日照量、気温、降水量)などを衛星データとして用いてメタン濃度の変化とその原因を解析する必要がある。
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次年度の研究費の使用計画 |
熱帯林のメタン測定を行うための旅費を次年度に繰越した。 当初予定していた、熱帯林から空気を採集し日本でメタン濃度を測る予定であったが、海外から空気を容器に入れて搬入した場合空気の濃度が変化する恐れがあるとわかった。 そこで、メタンを採集するための出張旅費が余っている。 海外でメタンを採集し日本で計測できないため、現地でメタン濃度を測定する方法を調べている。現地(インドネシアと中国)の気象庁と研究協力を結びメタン濃度を測ってもらうことを依頼している。
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