本研究の目的は、メダカの胸腺をターゲットにして、臓器、細胞レベルから包括的に放射線影響が現れるしきい値を検証する事である。 胸腺が可視化出来るメダカを用いて胸腺での小核試験法を確立させた。非照射メダカにおいて、小核出現率はエラや腎臓と比べて大きな違いはなかった。ガンマ線連続照射実験系を立ち上げ、胸腺萎縮と小核試験法から放射線影響の現れるしきい値を算定した。これまでの所、胸腺萎縮は10-50mGy/h、小核出現は1-10mGy/hにしきい値があると推定している。この線量率は原発事故後の空間線量率(<100uSv/h)と比べても10倍以上の高く、メダカに放射線の影響が出ているとは考えづらい。
|