全世界で2億人以上の人々がヒ素汚染された井戸水を飲用水として利用し、多くの人々が皮膚癌や神経疾患を含む慢性ヒ素中毒を発症し、極めて重大な問題となっている。それにも関わらず、中毒の効果的な予知・予防、診断・治療法は全く確立しておらず、早急の確立が求められている。研究代表者らはバングラデシュのヒ素汚染地域におけるフィールドワーク及び研究室における実験研究により、胎盤増殖因子(Placenta Growth Factor, PlGF)がバングラデシュ在住のヒ素汚染水飲水者の尿で有意に上昇し、且つヒ素誘導性発癌に直接関与していることを明らかにした。
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