研究課題/領域番号 |
25340059
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 鳥取大学 |
研究代表者 |
渡部 仁成 鳥取大学, 医学部附属病院, 講師 (80397851)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 児童 / 呼吸機能 / 自覚症状 / 呼吸器症状 / interleukine-8 / 黄砂 / 煙霧 / 大気汚染物質 |
研究概要 |
黄砂や越境大気汚染に起因する煙霧の健康影響が懸念されているが本邦での調査は少ない。また、本邦においては大気汚染物質と呼吸機能の関係についての調査も少ない。本課題は黄砂あるいは煙霧をはじめとする大気汚染物質が小学校児童の自覚症状、呼吸機能に与える影響を明らかにすることを目的にしている。また、大気粉塵の毒性評価も並行して行うことにしている。 10歳~11歳の小学校児童768名を対象に大気汚染物質が小学校児童の自覚症状、呼吸機能に与える影響について評価を行う。毎日の呼吸器の症状、鼻の症状、皮膚の症状の有無、また、症状がある場合にはその程度について3段階で評価を行い、症状日誌を用いて結果の記録を行っている。また、呼吸機能を評価するためにピークフローメーターを用いて毎朝のピークフロー値の測定を行い同様に日誌に結果を記録している。調査期間は2014年1月から5月までを予定しており、2014年1月から予定通りに調査を開始している。 捕集した大気粉塵の毒性を評価している。評価はヒト急性白血病由来のTHP-1細胞にinterleukine (IL)-8およびGAPDHのプロモーターに制御されるSLO (stable luciferase orange),SLR (stable luciferase red)遺伝子を導入したTHP-1–derived IL-8 reporter cell Line (THP-G8)を用いている。捕集した種々の大気粉塵で刺激し、粉塵のIL-8誘導能を評価することで大気粉塵の毒性を評価している。今後、時期毎の大気粉塵のIL-8誘導能を評価し大気粉塵のIL-8誘導能と児童の症状、呼吸機能に関連があるか明らかにすることにしている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
当初は対象を400名としていたが、より多くの参加協力が得られ768名の児童で調査を行っている。また、調査期間も当初予定よりも長くなっている。前記のように、大気汚染物質が小学校児童の自覚症状、呼吸機能に与える影響について解析を行う上で十分な対象者と観測期間が確保できたため。
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今後の研究の推進方策 |
2014年6月に対象者から症状記録、呼吸機能記録が記入してある日誌を回収し、データを入力後に大気汚染物質と小学校児童の自覚症状、呼吸機能の関連について統計解析を行う予定にしている。
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次年度の研究費の使用計画 |
児童が呼吸機能測定に使用するピークフローメターを他の研究で使用していたピークフローを持ち越して使用できた。このため、本研究費を使用せずにピークフローメーターを調達できたため予算に使用する必要がなくなった。呼気一酸化窒素測定について、病院診療で使用してるもの使用する方向で検討しており、25年度中の購入を見合わせた。 以上の自由により申請時の予算との乖離が生じた。 児童の呼吸機能測定結果を入力を自身で行う予定にしていたが、研究参加人数が768人に増加したため、入力を外部機関に委託することにし平成25年度残額を充当する。また、統計解析のために解析ソフト購入経費に充当する。
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