本研究の核心部は確定判決による開門に伴う環境変動の把握であり、判決が示した開門期限(2013年12月10日)を挟んだ環境変動を詳細に観測し、比較する計画であった、しかし、長崎地裁による開門差止仮処分決定により開門は実施されていない。これまでに確定判決を履行されなかった事例はなく、想定外の状況が生じているが、自然科学研究者の立場から、これらの法的、政治的事象に関与する事出来ず、本研究の核となる比較調査は実現できなかった。そこで、将来のために、従来のモニタリングを継続するとともに、排水に伴うミクロシスチンの短期的堆積および海域への長期的拡散と食物連鎖を通じた動態、分解過程の研究を進めた。
|