複数の水生植物の根面などから多数の菌株を分離し,生菌液による各種芳香族化合物の吸着試験を行ったところ,ビスフェノールA(BPA)に特異的な吸着作用を示す菌株の分離に成功した。本菌株による吸着反応は試験開始後5分以内に平衡に達し,幅広い環境条件で安定的であり,Freundlich吸着等温式に良く適合していた。また,吸着菌を分解菌と併せて,ウキクサ(Spirodela polyrhiza)の根圏に導入した系や固定化担体として用いた系では,いずれかを単独で用いた系よりも優れた浄化効果が示された。以上より,吸着菌を分解菌と併用することで,各種生物学的処理の効果が促進される可能性が示された。
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