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2013 年度 実施状況報告書

マイクロバブル反応場に着目した高効率超音波分解技術の開発

研究課題

研究課題/領域番号 25340072
研究種目

基盤研究(C)

研究機関大阪府立大学

研究代表者

興津 健二  大阪府立大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (60295095)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2016-03-31
キーワード超音波 / マイクロバブル / 有害有機化合物 / 分解
研究概要

本研究では、超音波照射によって生成されるマイクロバブル反応場を利用する有害有機化学物質の高効率分解手法の開発と分解メカニズムの解析について検討することを目的としている。分解対象物質には生分解しにくい芳香族化合物を用いて、超音波分解実験をおこなった。本年度は、バルク中に溶存する芳香族化合物をバブル近傍やバブル内部に集める手法について検討するために、無機塩の添加効果について調べた。炭酸イオンなどの無機塩はOHラジカルスキャベンジャーとして働くものもあるため、OHラジカルとの反応性のほとんどないと考えられる硫酸ナトリウムの添加効果について検討することにした。その結果、塩を加えた時に分解速度が変化しないものや多少分解速度が速くなるものが観察された。分解速度が速くなる理由としては、塩を添加することにより水溶液の極性がより高くなり、その結果、芳香族化合物がバルク溶液中からOHラジカル濃度の高いバブル界面や近傍に押し出されたためと考えられた。塩を添加しても分解速度が変化しない理由については現在解析中である。さらに、より低コスト・低エネルギーで有害有機化学物質の分解を行うために、安価な高周波超音波噴霧器(周波数1.6 MHz、低出力)を用いて実験を行った。噴霧器を分解実験用に改良して、メチルオレンジの分解・除去実験を行った。OHラジカルスキャベンジャーである、t-ブチルアルコールを添加するとメチルオレンジの分解が抑制されたことから、超音波噴霧器でも高温高圧バブルの発生とOHラジカルの生成が起こっていることが示唆された。水よりも熱分解しやすい四塩化炭素をメチルオレンジ水溶液に加えて超音波照射すると、メチルオレンジの分解がより速やかに進行することが確認された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

無機塩や有機物を共存させて有害有機化合物の超音波分解を行うと分解速度を速くすることができた。高周波超音波噴霧器が有害有機化合物の分解に利用できることがわかった。超音波照射されている水溶液中での有害有機化合物の分解挙動についても議論できた。

今後の研究の推進方策

超音波を利用する有害有機化合物分解の高効率化手法の開発として、添加剤(無機塩、有機物)が分解反応速度に影響することが確認された。さらに詳細に添加剤の効果について検討するとともに、キャビテーションバブルの数を増やす手法の開発などさらなる分解促進手法の開発について検討したいと考えている。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2014 2013

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] 水溶液中における有害有機物の超音波分解:分解速度へ与える影響因子2014

    • 著者名/発表者名
      興津健二
    • 雑誌名

      日本ソノケミストリー学会誌

      巻: 8 ページ: 8-13

  • [雑誌論文] Removal of methyl orange from aqueous solution using a 1.6 MHz ultrasonic atomiser2013

    • 著者名/発表者名
      Kandasamy Thangavadivel, Gary Owens, Kenji Okitsu
    • 雑誌名

      RSC Advances

      巻: 3 ページ: 23370-23376

    • DOI

      10.1039/c3ra44343d

    • 査読あり

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公開日: 2015-05-28  

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