研究課題/領域番号 |
25340073
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 東京理科大学 |
研究代表者 |
小越 澄雄 東京理科大学, 理工学部, 教授 (60134459)
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研究期間 (年度) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 可視光活性光触媒 / 二酸化チタン / 酸化銅 / ホルムアルデヒド |
研究概要 |
酸素欠損型二酸化チタン光触媒(TiO2-x/TiO2)の可視光活性光触媒性能のプラズマプロセスによる酸素欠損作成時のプロセスパラメータ依存性(マイクロ波入力依存性)と、生成したTiO2-x/TiO2性能の径日変化(劣化)の測定を行った。その結果、マイクロ波入力約200W(プロセスガスAr/H2(各流量 20sccm)、ガス圧140Pa、プロセス時間 10min.)のとき性能が最大になることがわかった。その時のプラズマパラメータは密度8.5×1010cm-3、電子温度 5.7eV、基板温度は710Kであった。可視光活性光触媒の性能はJIS規格に準じた方法でホルムアルデヒドを処理し、その処理率で評価した。処理条件はホルムアルデヒド濃度約1pmm、ガス流量0.25L/min、照度20W/m2、光源は白色LED(紫外光を含まない)で、最大処理率は約10%であった。なお、性能劣化は初期の1ヶ月間に生じ、初期値の約半分まで劣化するがその後は安定することがわかった。また、銅(銅酸化物)と二酸化チタンの混合物(TiO2/CuxO/Cu)の可視光活性光触媒としての性能の焼結温度依存性を測定した。その結果、最適焼結温度があることを突き止めた。その時の性能は、一般的な可視光活性光触媒である窒素ドープ型二酸化チタンの約3倍であった。内蔵電位については測定システムを開発し現在測定を開始したところである。光触媒による水処理については、時間・空間分解能のある実験装置を開発した。また、電圧印加により、わずかではあるが、性能が向上することを示した。光触媒による殺菌試験については、直接殺菌効果を調べるには施設的に困難があるので、大腸菌のDNA切断効果で調べた。TiO2/CuxO/CuはこのDNA切断効果が可視光で生じることがわかった。これらの成果は学会発表し、また論文誌へ投稿中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成25年度研究実施計画では、TiO2-x/TiO2、TiO2/CuxO/Cu接合による可視光活性な光触媒の作製と各種測定法を確立することと、TiO2-x/TiO2については、その性能のマイクロ波プラズマ処理時の入力パワー依存性と最適値の探索、TiO2/CuxO/Cuについてはその性能の作製時の焼結温度依存性と最適値の探索、および、水処理装置、殺菌能力の評価システムの準備を行うことであった。これらについては、研究実績の概要で述べたようにほぼ達成できたと考えている。
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今後の研究の推進方策 |
TiO2-x/TiO2については、プラズマプロセスの強さ(マイクロ波入力の強さ)依存性を調べたところ、可視光吸収量はマイクロ波入力とともに増加したが、光触媒性能は200Wで最大となり、その後減少した。何故、200W以上で光の吸収は増大するが、触媒性能は低下するのかについて各種測定、計算機シミュレーションにより調べ、何が最大値を決める要因かを明らかにする予定である。TiO2/CuxO/Cuについては、銅板の上にTiO2を塗布し、焼結して作製したが。それ以外の方法でも作成でき、しかもより高性能であった。そこで、どのような原理で可視光活性光触媒になるのかを考えつつ、各種方法で作成し、性能を測り、より高性能な可視光活性光触媒の作製を試みる予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
物品費として約32万円、旅費として約18万円の繰り越しがでた。これは、初期の一番予算が必要な時に今後を考えて、研究室の予算を使用し、科研費を後期のために残してしまった結果である。 この研究では、多量の消耗品を必要とするので、消耗品費として有意義に使用する予定である。
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