樹木年輪試料の極微量元素の濃度および同位体組成変動から長期間の時系列環境変動の記録を読み解く道具として、プルトニウム、ウラン、トリウム、鉛、希土類元素の極微量化学分離から分析まで一連の技術を確立することを目的とした。プルトニウム分離のための溶離液組成を最適化した結果、所要時間6.3時間、回収率93%以上で目的元素を逐次的に全自動で完全分離することができた。松の年輪試料を灰化・分解処理して、開発した全自動逐次分離システムで元素分離を行った後、元素濃度および同位体比を測定した。その結果、ウラン濃度0.09ng/g~鉛濃度0.21μg/gの範囲を簡単・迅速に分析することが可能となった。
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