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2013 年度 実施状況報告書

共存微生物由来物質の摂取による海藻代謝変動の解明とその水圏環境浄化への利用の研究

研究課題

研究課題/領域番号 25340080
研究種目

基盤研究(C)

研究機関独立行政法人産業技術総合研究所

研究代表者

垣田 浩孝  独立行政法人産業技術総合研究所, 健康工学研究部門, 主任研究員 (40356754)

研究期間 (年度) 2013-04-01 – 2016-03-31
キーワード海藻 / 水圏環境浄化 / 海洋資源 / 植物
研究概要

Indole-3-acetic acid (IAA)摂取の海藻代謝への影響を解明するためには単藻培養株(大型海藻として単一種まで純化された株)まで純化した海藻を用いる必要がある。産総研保有の非成熟性有用オゴノリ科海藻の単藻培養株を滅菌海水培地中で培養し、1年間を通じて維持できた。代謝物質分析に影響を与える諸要因の一つである生物学的要因(個体差)の最小化のためにも、非成熟性単藻培養株の維持は価値がある。非成熟性単藻培養株の成長端を試料としてアンモニア態窒素培地、硝酸態窒素培地、IAA添加アンモニア態窒素培地、IAA添加硝酸態窒素培地で比較培養し、IAA添加アンモニア態窒素培地で増殖海藻湿重量および栄養塩吸収量が多いことを明らかにした。新規調製株と保存培養株の比較を目的に、2013年7月採取の海藻成熟体から胞子を分離し、滅菌海水中で培養し、新たに単藻培養株(25年度採取)を得た。水温15℃, 18℃, 21℃, 24℃, 27℃, 30℃の何れの条件でも単藻培養株調製が可能であることを明らかにした。海藻付着共存微生物の優勢種は天然海藻ではVibrio sp.およびMoraxella sp.であり、滅菌海水中で短期間培養するとFlavobacterium / Cytophaga sp.に変化することは既に報告したが、長期培養株での結果は未解明であった。今回、長期保存株の付着微生物の優勢種がFlavobacterium / Cytophaga sp.であることを見出した。この結果はオゴノリ科海藻特有の付着微生物がFlavobacterium / Cytophaga sp.であることを強く支持する結果として意義がある。またVibrio sp.が長期培養株では検出限界以下(0.0004%以下)に低下することを見出した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

生物学的要因(個体差)の最小化のための非成熟性単藻培養株の維持、増殖海藻湿重量および栄養塩吸収量へのIAA添加の評価、新規単藻培養株の調製を達成した。さらに海藻長期培養後の海藻付着共存微生物の優勢種について新しい知見を得た。以上のことより区分②と判断した。

今後の研究の推進方策

計画に従い研究を実施する予定である。非成熟性単藻培養株の成長端を試料として、海藻付着共存微生物由来の物質等の摂取による増殖海藻湿重量変化および栄養塩吸収量変化について評価していく。新規培養海藻と保存培養海藻での比較実験も検討する。

次年度の研究費の使用計画

消耗品の納入額が予想より低かったため差額4,216円が生じた。
平成26年度の消耗品に組み入れて使用する。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2013 その他

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Bacteria attached to the red alga Glacilariopsis chorda (Holmes) Ohmi2013

    • 著者名/発表者名
      Hirotaka Kakita, Hideki Obika, Hiroshi Kamishima
    • 雑誌名

      Algal Resources

      巻: 6 ページ: 73-80

    • 査読あり
  • [学会発表] 紅藻類オゴノリ科海藻表層に付着する微生物相の特徴

    • 著者名/発表者名
      垣田浩孝、小比賀秀樹、上嶋洋
    • 学会等名
      日本農芸化学会関西・中四国・西日本支部および日本ビタミン学会近畿・中国四国・九州沖縄地区合同大会(2013年度合同広島大会)
    • 発表場所
      県立広島大学(広島県広島市)
  • [学会発表] 海藻付着微生物数及び菌相の変化

    • 著者名/発表者名
      垣田浩孝、小比賀秀樹、上嶋洋
    • 学会等名
      日本農芸化学会中四国支部第38回講演会
    • 発表場所
      香川大学農学部(香川県木田郡)

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公開日: 2015-05-28  

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